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季節のスケッチ
- 2018/10/19
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俳画と文 松下佳紀
四季折々、月は形や色合いを変えて人に様々な印象を与える。特に中秋の月は魅力的だ。奇麗とか素敵とか人はほめたたえるが、月を眺める時間はほんの一分か二分、それで満足してしまうようだ▼私も俳人の端くれ、月と対峙する必要はあるのだが、思い切ってテレビを消し、近所を少々歩く程度にすぎない▼ただ、一度だけ本格的?月見をしたのを思い出す。それは登山仲間に参加しての房総の山上での月見だ。二十人ほどがテントを張り、煮炊きをし、まだ日のあるうちに万端の用を済ませ月を待つ。待ち切れず酒盛りを始める頃、満月が顔を出し全員拍手喝采!それからは飲めや歌えやの騒ぎとなるが、名月と共に過した山上での一夜は風流の極みであった。