【袖ケ浦市】手仕事には『うれしい』がたくさん詰まっている すが みほこさん

 袖ケ浦市在住のすがみほこさんは切り絵作家として、名刺やウェルカムボード、店舗利用デザインを制作して日々精力的に活動中。また、amimumemO(アミムメモ)のブランド名で羊毛フェルトやあみぐるみの雑貨などをイベントで販売している。「袖ケ浦市生まれの私は、幼い頃近くに住む曾祖母の家に遊びに行っては一緒に『笑点』を見ていました。お客さんからお題を貰って即興で切り絵をする『紙切り』芸のはさみを自在に操る姿に憧れたのが、今の私の原点かもしれません」と笑顔で話す、すがさん。おっとりとした口調と柔らかい雰囲気は、彼女の作品にも大きく影響しているようだ。和装に身を包んだ男女が桜の花に囲まれる切り絵には、滲みでるほどの幸福感と温かさが表現されている。また、椿の花や鳥たちと神社に立つ少女の作品からは太陽の光まで感じるような華やかさが漂う。どこか立体的に見えることも不思議だ。

 
 「小中学校では図工や美術が得意でした。ただアートに憧れはあったものの芸術専門の大学に行くことはなく、都内で短大の英文科を卒業した後は地元に帰り就職。事務職として働き、その頃はお菓子作りが好きでしたね」と、振り返る。とはいえ、短大時代にも手を使って物を作ることに興味はあった。一人暮らしをしていたアパートで仲良くなった住人に、布で制作したクマのマスコット人形をあげたこともある。「相手の喜ぶ顔を見ることが嬉しかった」という、現在の制作意欲にも共通する感情が、すがさんの原動力のひとつ。そこには自身の育った環境の影響も少なからずあった。「私は三姉妹で育ったんですが、母が小さい時から洋服や小物を手作りしてくれたんです。小学校の高学年くらいになると、それを恥ずかしいと思ってしまうこともありましたが、今思うととても幸せなことでした」という。

 
 物を作って人に喜んでもらう。そんな幸せが開花していくのは結婚と出産を迎えた20代半ばの頃。「息子を妊娠している時につわりが酷く、外出が難しかったんです。おくるみやガラガラを自分で作って楽しんでいたら、毛糸で作るぬいぐるみ『あみぐるみ』にはまりました」と、ここが物作りの大きなスタートラインになった。子どもの成長に合わせ、『あみぐるみ』や『ビーズ教室』、『パステル画』など様々な制作に取り組んだ。自宅でビーズ教室を開き、子どもが小さくて遠くに出掛けられないママ同士で作品づくりを楽しんだ時もあった。そして自身の作品が完成すると、ネットで立ちあげたショップやイベント出店で販売した。「夫や息子は協力的でイベントに一緒に来ては、後片付けしてくれて助かりました。夜はリビングで3人それぞれ制作、仕事、勉強と団らんしながら同じ時間を過ごせたことも楽しかった」とか。
 そして数年前、クリエイタ―が集まるビジネスショーで出版社の人に声を掛けられ、すがさんは大きな目標を達成した。日東書院より『12か月を彩る切り絵のある暮らし』、大創出版より『すてきな切り紙』、『おしゃれな切り紙』。共著で日本ヴォーグ社から『12か月を楽しめるはじめての切り紙』、『和の切り紙ごよみ』など計5冊を出版したのだ。大創出版の2冊以外はネットショップアマゾンより購入可能。

手作りのぬくもり

 
 切り絵やハンドメイド作家として大切にしているのは『手で作ったぬくもり』。パソコンのソフトで絵を描くことも珍しくない昨今だが、すがさんは、ほぼすべてを手作業で行う。「最後にデータを落とし込むことはしますが、切り絵をわざとしっかりと貼り付けなかったり、刺繍を入れたりして工夫します。紙とハサミだけでこんなに楽しめるんだよ、と伝えたいです」。すがさんは本を出版するだけでなく、個人のオーダー制作やイベント出店、学校等からの依頼で講座を行うことも。また、アリオ蘇我では毎月第4木曜日にカルチャースクールを開講している。
 「材料を買って作るという楽しさに加え、出来上がった時の達成感や喜ばれた時の幸せと、手仕事は嬉しいことの連続です。また、手仕事は記憶も呼び覚まします。私は結婚前に父を亡くしているのですが、中学生の頃ミモザの花を持って帰ったら、花粉症の父に叱られました。それを思い出しながら1500枚ものパーツでミモザの切り絵作品を作っていると、不思議とミモザの香りが漂っていたのです。父が遊びに来てくれた気がして、じんとしました」と話す、すがさんの手の中でミモザの作品は鮮やかに光っているようだった。イベントおよび作品について詳細は問合せを。
問合せ:すがさん
TEL.090・3509・8991

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 『いちはら歯っぴい8020応援隊』は、市民の健康づくりのための活動を展開している市民団体。市原市主催の健康づくり講座を受講したメンバーの中か…
  2.  一宮川流域では過去30年で4回の浸水被害に見舞われている。中でも令和元年10月の豪雨は未曽有の被害をもたらした。この災害を受けて県は昨年度…
  3.  現在ブームが続いているキャンプ。アウトドアで密にならないこともあり、キャンプ場だけでなく、自宅の庭などで楽しむ手軽なタイプも人気だ。ただ、…
  4. 木々に囲まれた家で暮らしたい、理想の庭を作りたい、そんな思いで長い間ずっと温めてきた自身の夢、『森の中の家』に住まいを移してから今年の9…
  5.  市原市在住、須田和人さんのスポーツ指導者としての実績が素晴らしい。市内の高校陸上競技部顧問として15年連続、計62種目、延べ128名をイン…
  6.  長柄ダム湖畔の高台に建つロングウッドステーション。隣の大きな駐車場の一角には、昨年オープンした『太陽ファーム加工場』と、今年オープンした『…
  7. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 『いちはら歯っぴい8020応援隊』は、市民の健康づくりのための活動を展開している市民団体。市原市主催の健康づくり講座を受講したメンバーの中か…

おすすめ商品

  1. SG-507 ユネスコ世界遺産 フィルム 名入れカレンダー

    世界の自然や遺跡を厳選 – 豪華版・ユネスコ世界遺産シリーズ 1-2月/マチュ・ピチュの歴史保護区…
  2. TD-288 卓上L・大吉招福ごよみ・金運 名入れカレンダー

    金運の黄色と金箔「金運上昇八卦鏡」のW効果!驚異の金運力!金運上昇八卦鏡。 風水で八卦鏡とは、邪悪…
  3. SG-951 卓上 デスクスタンド文字(SB-324)名入れカレンダー

    【人気商品】卓上名入れカレンダーの超ヒット商品! 高級感が漂うシンプルデザイン。重量感のある厚紙を…
  4. SB-103 金澤翔子作品集 名入れカレンダー

    気鋭の書家、金澤翔子さんによる書下ろし作品集。 先天性の障がいを持って生まれた少女が書と出会い、才…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る