- Home
- シティライフ掲載記事, 市原版
- 糸かけ曼荼羅と美味しいスイーツで癒しの時間を【山武郡九十九里町】
糸かけ曼荼羅と美味しいスイーツで癒しの時間を【山武郡九十九里町】
- 2019/8/9
- シティライフ掲載記事, 市原版
- 外房

山武郡九十九里町在住の若山千加子さんは、3年前に実家の敷地内にオープンしたカフェを営みながら、糸かけ曼荼羅(まんだら)の制作をしている。糸かけ曼荼羅とは、釘と糸や紐を使って文字や幾何学模様を描くアートのこと。曼荼羅は仏の悟りの世界を表した密教独自の図のことで、素数の順番に釘に糸をかけてできる模様と似通っていることから『糸かけ曼荼羅』と呼ばれている。板に64本の釘をさし、あとは糸をかけていくだけなので、完成品の鮮やかさのみでなく、慣れればスイスイ手が動くという制作過程も魅力のひとつ。 若山さんが糸かけ曼荼羅を始めたのは5年ほど前。「偶然知ってやってみたいなと思って、都内の教室に行ったんです。糸をかけている時は本当に無心になれて気持ちがいいですね。今思うと、当時は自分の存在価値を探していたんだと思います」と、穏やかに振り返る。23年間保育士として勤め、夫と息子3人との生活は充実そのもの。しかし、その中で出会った糸かけ曼荼羅の世界は、若山さんが集中して自分と向き合う時間を与えてくれたのだった。「使う糸の色は、その人の精神的な状態を表しているんです。また不思議なことに、糸をかけていると必ずひっかかる場所がでてくるんですが、その数は人生で困難に出会った歳であることも多い」というから驚きだ。
今までに制作した作品数は15個ほどあるものの、作品展を開催したことはない。だが、市原市の内田未来楽校や九十九里町の海の駅で行われたイベントに参加してワークショップを行ったり、成田市や大網白里市のカフェやサロンで希望者に教えたりした経験を持つ。「3時間もあればやり方は覚えられる、とても敷居の低いアートです。年齢や性別に関わらず楽しめるので、作品だけを見て難しそうと思わないで欲しいです」と話す若山さんの作品は、現在カフェ『スイーツファクトリーカフェ aNt(アント)』に飾られている。作品によっては幾何学模様の下に花の形のビーズを飾ったり、糸の位置を変えてより立体的な膨らみを出したりと独自の工夫がされている。また、「板にも絵を描くことで、よりアート感を出すことに挑戦していけたら」と展望を語る。
『スイーツファクトリーカフェ aNt』では、若山さんは接客を担当。妹さんが作るニューヨークチーズケーキやカレーのランチセットなどを食べられる店内は落ち着いた雰囲気。「希望者にはカフェ内で糸かけ曼荼羅を教えることもあります。ここに来たら笑顔で帰れる、そんな場所であることを心がけています」と、笑顔の若山さん。作品について詳細は問合せを。
問合せ:若山さん
TEL.090・1460・5534