ものづくりフェスタ 小学生が製造の楽しさを体験【市原市】

パスカルの原理(化学の力)を利用したおもちゃを作ったり、スライムづくりに興じたり。8月17日、小学生を対象にyouホール(市原市勤労会館・更級)で『ものづくりフェスタ』が開催された。『金属探知機を作って宝探し!』『ノーベル賞LEDを使って光のマジカル実験!』『浮沈子(ふちんし)をつくろう!』『2つのスライムをつくろう!』『いろんな繊維の力を体験しよう!』『エコーで見えない絵を当ててみよう!』『マイペットボトルを作ってみよう!』『お話:市原市の企業と私たちの生活』『木更津高専ロボット機登場!』と多彩なプログラムに、夏休み中の子どもたちが夢中になった。

『自分で作る』から面白い

 LED発光・操作パネルを作り、魔法のように変わる色の調合を楽しんだ小学4年生の平沢くんは「初めて参加しました。僕が1番やりたかったことができました。『自分で作った感』があって良かったです」と、真っ直ぐな目線、しっかりとした口調で感想を聞かせてくれた。平沢くんの保護者は「ちらしを見た息子が自分からやってみたいと言いました。おもちゃっぽいものではなく本格的なものづくりを、木更津工業高等専門学校の先生と生徒さんが、きめ細かに教えてくれて、でも部品を組み立てて作るのは自分自身で、というところがとてもいいです。自分が作った!自分の作品ができた!という達成感が得られて息子は喜んでいます」と、今度はロボットのカブト虫を操る平沢くんに微笑みを向けていた。
 特殊なフィルムに描かれた絵に色を塗り、ペットボトルと一緒にポットのお湯に浸すと、数秒でオリジナルペットボトルができるという体験を楽しんだのは木村さん親子。母親の理恵さんは「ポットから完成品が出てくるところで、子どもたちが目をまん丸にして驚いているいい写真が撮れました」とにっこり。兄の玖(らいく)くんと弟の凜久(りんく)くんは、夏休みの自由研究ができたこと、楽しめて良かったことを、完成品を嬉しそうに眺めながら話していた。
 色水を透明に変える繊維の力を体験するコーナーでは、実験に使われたオレンジジュースの賞味期限の話題など講師のトークも面白く、説明中も実験中も子どもたちは楽しそうだった。正解の数によってプレゼントがもらえるエコーの体験コーナーでは、鉄板に隠された絵を、超音波を使ってみごと当てた時の子どもの喜ぶ顔、それを見るスタッフの笑顔が印象的だった。『NHK高専ロボコン全国大会出場の木更津高専ロボット』も登場した。見た目の楽しさや動きの素晴らしさに、見つけた途端、足早に近寄る子ども、並んで背比べをする子どもたちもいた。

製造業の未来のために連携

 今回の各催しは、木更津工業高等専門学校、ちばテク市原校(県立市原高等技術専門校)、デンカ株式会社千葉工場、市原市臨海部工場連絡会姉崎・千種支部、特定非営利活動法人NPOテクノサポートなど、ものづくり産業に係る各団体と市の連携で実現した。
 『お話:市原市の企業と私たちの生活』では、千葉市科学館で活動中の室谷定一さんによる講演が行われた。全国に800近くある『市』の中で、市原市の、ものづくりの生産額が豊田市、横浜市、川崎市に次いで第4位であることなど、市原市のものづくりの実力が紹介され、市原市の企業で作られたものが身の回りにたくさんあることなど、受講者は興味深げに聞き入っていた。「小学生の皆さんには、身の回りにあるものは元素でできていて、将来役立つ元素を知ってほしいです。そして体験が何より大事なので体験型のフェスタや科学館などにぜひ、行ってください」と室谷さん。
 金属探知機の作り方を指導する木更津高専電気電子工学科の大澤寛教授は、「ものづくりを通して不思議だな?何が起きているのかな?と思ったら、その興味を理科の学習に繋げてほしいです」と話し、異なる金属を探知した時の音の微かな違いを聞かせてくれた。オリジナルペットボトルづくりの機会を提供したデンカ株式会社の川口浩史さんは、スタッフと共に「完成したペットボトルを持ち上げた時の、子どもの顔を見るのが楽しみです。市原市の子どもたちに製造の分野に興味・関心を持ってもらえたら嬉しいです」と話し、マイペットボトルを作らせてくれた。大人(保護者)も楽しめるフェスタだ。
 主催した市商工業振興課の担当は「今回2回目となります。ものづくり人材育成事業の一環です。ものづくりの楽しさを体験し技術に親しむことを通して、小学生に市原の製造業への関心を持ってもらうことが目的です。来年度も開催を考えていますが、もちろん保護者の参観も歓迎です。『大人にとっても興味深い内容で、親子で一緒に楽しめた』といった声もいただいています」とのこと。お話しと木更津高専ロボット機を除き、いちはらポイント対象事業にもなっている。ものづくりに関心のある小学生と保護者の皆さん、次回をお見逃し無く。
問合せ:経済部商工業振興課
TEL.0436・23・9836

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る