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ふるさとビジター館 いちはら自然探訪 クレソン(外来種)
- 2020/5/28
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- ふるさとビジター館
水が湧き出ている水路で、こんもり茂った花茎に白い小さな花がたくさん見られた。幅いっぱいに数メートルに渡って茂っている所もある。
ヨーロッパ原産の多年草でアブラナ科オランダガラシ属オランダガラシ(和蘭芥子)。別名クレソン。高さ30~50センチになる。花は4~6月に大きさ6ミリぐらいの白色総状花序。葉は奇数羽状複葉。清流でないと根の発達が悪く、溜まり水には生えない。
明治のはじめに日本に入り、現在では「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」で、国外由来の総合的に対策が必要な重点対策外来種。定着段階は分布拡大期~まん延期。温もりがある湧き水は、外気が冷え込む冬でも水中で茎の節々に脇芽と白い髭根の成長を促す。春、成長した脇芽は水面に盛り上がるような群落を形成する。
クレソンに覆いつくされた水底は陽が届かず、在来の水生植物が育たなくなる。多様性が失われ、駆逐される野草もでてくる。生態系が破壊され、昆虫や水生生物も減ってくる。市原の豊かな自然は、外来種の侵入を阻むことでいつまでも残したい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)