房総の小江戸 大多喜の城下町を歩く【大多喜町】

 大多喜町は、徳川四天王の1人で近世大多喜城初代城主となった本多忠勝によって整備された城下町だ。大多喜城とその城下町に多く残された古い家並みや史跡をめぐれば、新しい発見や驚きがある。
 さあ、歴史探訪に出かけよう!

大多喜城

大多喜高校敷地内の薬医門

 現在の建物は、大多喜城本丸跡に千葉県立中央博物館大多喜城分館として1975年に建てられた城郭様式の歴史博物館。続日本100名城に選出された。「房総の城と城下町」をテーマとした常設展と、様々な企画展や歴史講座を開催している。最上階の4階では、江戸時代の城と町の様子がジオラマで復元され、窓越しに城下町の眺望も楽しめる。
 大多喜城二の丸御殿跡に建つのが、県立大多喜高校。敷地内では県指定史跡の『薬医門』と『大井戸』を自由に見学できる。『薬医門』は1871年の廃城の際唯一残ったもので、高校の玄関わきに移築復元されている。『大井戸』は周囲17m、深さ20mで日本一の大きさ。1590年本多忠勝が築城の折に掘られたもので、水が涸れたことがないという。

城下町を散策

国登録有形文化財『伊勢幸』

 旧大多喜街道の城下町通りには、国指定重要文化財の『渡辺家住宅』を始めとして、貴重な文化財の家屋が点在。町並み整備計画に基づき建物や案内板などが修復され、城下の防衛のため鉤型に曲がった道もそのままに、往時の城下町を偲ばせる。国登録有形文化財の『伊勢幸』は1871年の大多喜城廃城の翌年、大手門の材料の一部を使用して建築された商家だ。同じく国登録有形文化財の『大屋旅館』は江戸時代後期の創業で、学生時代の正岡子規も宿泊したといわれる。『釜屋』と『商い資料館』は火事に強い土蔵造りの商家で、無料で公開されている(年始1/4~)。他にも、「城が最も美しく見える場所」を選んだといわれる本多氏の菩提寺『良玄寺』と『忠勝墓所』、社殿の彫刻が美しい『夷隅神社』など見所は沢山。

見逃せない現代建築

千葉県建築文化賞を受賞した大多喜小学校

 現代建築で存在が際立つのは、『大多喜町役場(中庁舎)』と『大多喜小学校』だ。『大多喜町役場(中庁舎)』は1959年(昭和34年)に『日本建築学会作品賞』を受賞。大多喜の歴史と自然をモチーフとした意匠が随所に施されたモダニズム建築だ。2013年には、その修復保全が高く評価され『ユネスコ アジア太平洋遺産賞』を受賞した。『大多喜小学校』は1997年に『千葉県建築文化賞』を受賞。西方の高台にそびえる大多喜城を背景に城下町を意識したデザインの校舎が建ち並ぶ景色は、他に類を見ないだろう。

観光本陣を拠点に

夷隅神社の彫刻

 いすみ鉄道デンタルサポート大多喜駅前の観光本陣は、休憩所・トイレ・土産物売り場を完備した町の観光案内所。『城下町散策マップ』や『いすみ鉄道沿線ガイドマップ』等、観光に役立つ資料を用意している。自転車1回300円、電動アシスト自転車1回500円、2人乗り電気自動車小型モビリティ2時間2000円(要普通自動車免許)でレンタル可能。予約をすれば、人力車で城下町をめぐる約60分のコースを回ることもできる(1回2人まで3000円)。

菜の花と桜の間を走る春のいすみ鉄道

10名以上のグループには、無料でボランティアガイドも(2週間前までに予約)。町営駐車場(有料)は、大多喜城と大多喜駅近くの2か所にある。『城下町散策マップ』は、大多喜町観光協会のホームページよりダウンロードもできる。
 町内には散策のため石畳の『酒蔵小路』や『寺町通り』が整備され、足を休められる小さな公園も多い。町のあちこちから見える大多喜城も魅力的。自然に恵まれた町は季節により様々な表情を見せる。自分だけのお気に入りの風景を見つけるのも散策の楽しみの1つだろう。各施設の行事・開館日時など詳細はホームページなどで確認を。

・大多喜町観光協会
年始1/4~ 営業時間:9時~17時
TEL.0470・80・1146
http://www.otakikankou.net

・千葉県立中央博物館大多喜城分館
年始1/2~開館、月曜日休館、祝日の場合は翌日休館 開館時間:9時~16時半(入館は16時まで) 
TEL.0470・82・3007
http://www.chiba-muse.or.jp/SONAN/

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