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ふるさとビジター館 自然探訪~実はハイスペック・昆虫のケラ~
- 2023/8/24
- 市原版, シティライフ掲載記事
- ふるさとビジター館
夜、耳を澄ますと「ジー」と鳴く声が聞こえます。その正体は土の中にいるケラです。
ケラは「手のひらを太陽に」の歌詞に登場し、誰もがその名を口にしたことがあるかと思います。また、お金がなくなったときの「オケラになる」とか、何の役にも立たない存在を意味する「虫ケラ」という言葉もありますが、これはケラが良くも悪くも、人にとっては何も役に立たないことが由来とされているそうです。昔から身近にいるケラの小さな体や動作のかわいらしさも、人々の心を掴んで歌や言葉になってきたのかもしれませんね。
そんなケラですが、実は地中、陸上、水、空の全てを移動できるハイスペックな昆虫なのです。モグラのような立派な前脚で土を掘り地中を自由自在に動く、陸上を早く歩く、羽があり空を飛ぶ、体の毛に撥水性があり水に沈まず泳ぐことができる、と総合力はバツグンです。
ケラは、湿った場所、特に田んぼなどの環境を好み、一生のほとんどを地中で過ごしているので、姿を見かけることはなかなかありません。さらに近年、田んぼなどが減少している都市部では、ケラの生息数も減少しつつあるとのことです。
パートナーを探す春~夏にかけての夜、繁殖に適した場所や、街灯のまわりを探してみると、飛来するケラに出会えることがあるかもしれません。
(ナチュラリストネット/時田良洋)
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