~著名人が市原に集結~学びのイベント『エンジン01 in 市原』盛況のうちに閉幕【市原市】

【写真】『音楽堂in市原《私の十八番》ガラコンサート』にて。ヴァィオリン・川井郁子さん、ピアノ・熊本マリさん

 

 市原市市制施行60周年を記念し、1月26日(金)~28日(日)、『エンジン01(ゼロワン)in 市原』が、市原市市民会館、帝京平成大学千葉キャンパスなど市原市内各所を会場に開催された。主催は『エンジン01文化戦略会議』、共催は『エンジン01 in 市原実行委員会』。各分野の一線で活躍する120人もの文化人・知識人を講師として迎え、のべ1万2千人が多種多様なテーマに即して『学び』を体験した。

DAY1

オープニングシンポジウム『ハピネスの作り方』にて。右から作家・和田裕美さん、漫画家・東村アキコさん、大会委員長・勝間和代さん、エッセイスト・南美希子さん

 2001年に発足した『エンジン01文化戦略会議』には250人もの文化人が名を連ね、『エンジン01』は年に一度開催されるオープンカレッジ。2002年度より様々な地方都市で開催されてきたが、今年度開催の市原は今までで一番東京に近い場所となった。講師らはすべてボランティア。エンジン01開催後は、翌年度以降エンジン02、03と開催の機会を得る。

 26日には、市原市市民会館にて開会式が行われた。『エンジン01 in 市原』大会委員長・勝間和代さん、同副委員長・和田秀樹さんら『エンジン01文化戦略会議』のメンバーと、小出譲治市原市長を会長とする『エンジン01 in 市原実行委員会』メンバーが登壇し、開会が宣言された。小出会長は、「市原市は60周年。還暦を迎え新たな人生を歩んでいきます。常に学びの機会がある『学びのまち市原』を目指します」と述べた。

 オープニングシンポジウム『ハピネスの作り方』では、勝間さん、作家の和田裕美さんらが『幸せ』を題材にトークイベントを行った。次いで『エンジン01音楽堂 in 市原《私の十八番》ガラコンサート』では、ヴァイオリンの川井郁子さん、ピアノの熊本マリさんらの演奏する曲目で世界各国を周遊。観客は豪華な演奏陣の奏でる曲に魅了された。神戸から訪れた女性は、「以前からエンジン01に興味があり初参加です。明日まで滞在して楽しみたい」と話した。

DAY2

2日目の講座『市原で…歴史の色んな話!』にて。右から考古学者・忍澤成視さん、歴史学者・磯田道史さん、華道家・池坊美佳さん

 27日には帝京平成大学にて、75講座が開講された。文化、歴史、アート、スポーツ、AIなど様々なジャンルのテーマが用意され、どの教室も参加者はメモをとるなど熱心に聴講した。認知症と看取りがテーマのクラスを続けて受講した女性は、「すごくためになりました。病院のかかり方など具体的な話が聞けてよかった」。漫画家の東村アキコさんのファンの女性は、「雲の上の人という感じがしていたが、お話を聞くと同じ感覚を持っているという気がしました」。『市原で…歴史の色んな話!』の講座では、講師の1人、歴史学者の磯田道史さんの「国分寺のあった市原は東北の首都だった。市原の皆さんはもっと誇りに思っていい。エンジン02で是非フィールドツアーをやりましょう」との言葉に、教室が拍手で沸いた。同講座を受講した女性は、「磯田先生はいつもテレビで観ているが、対面で話を聞くと表情やしぐさまで伝わってとてもよかった」と話した。

『エンジン01 ハローワーク in 市原』では31講座が開講され、映画監督、翻訳家、脳科学者、CGアーティスト、料理人など、その道で成功を収めたプロが無料で講義を行い、小学生から大学生、大人までが机を並べ講義に耳を傾けた。ドラマ『ドクターX 外科医大門未知子』が代表作の脚本家・中園ミホさんのクラスでは、隣室がドクターXのモデルとなった医師・加藤友朗さんだったことから、60分授業の後半は2クラスが合流。執筆時の中園さんと医療監修の加藤さんとのエピソードを通じて、それぞれの職業についての話を深めた。中園さんからは「自分の才能にがっかりしたとしても必ず最後まで書きあげること」、加藤さんからは「医師も英語が大事。できれば10代のうちに留学を」などのアドバイスがあった。

 大学での講義の熱が冷めやらぬ中、19時からは市内22の飲食店で、『夜楽(やがく)』が行われた。中華料理『紅鷹』で参加した親子は、「南美希子さんなど3人の講師の方々が順番にテーブルを回ってくださり、おしゃべりもお料理も存分に楽しみました」。

DAY3

市原市立中央図書館で行われた『まちなか講座・日本初のファンタジー、南総里見八犬伝を語る!』にて。講師は左から漫画家・東村アキコさん、里見氏菩提寺宝林寺住職・千葉公慈さん、俳優・辰巳琢郎さん、大会副委員長・和田秀樹さん

 28日、市原湖畔美術館、市原歴史博物館など7カ所を会場として開催されたのが『まちなか講座』。市原市立中央図書館では、東村アキコさん、里見氏菩提寺宝林寺住職の千葉公慈さんらを講師に、『日本初のファンタジー、南総里見八犬伝を語る!』の講座が開かれた。千葉さんが語る里見八犬伝の物語のあれこれに、東村さんが「漫画の新作のアイディアが浮かんだ」と話すと、会場からは歓声が上がった。同講座と大学で

閉会式にて、挨拶する大会委員長・勝間和代さん(前列中央)と、小出譲治実行委員会会長(前列左隣)

の4講座を受講したという女性は、「とにかくすべてがおもしろかった。すばらしい栄養になりました。受け取ったものを活かして毎日しっかり生きたいと思いました」と語った。

 市原市市民会館では13時より、クロージングシンポジウム『AIがあれば政治家はいらない!?』と閉会式が行われた。小出会長の謝辞に次いで、勝間さんが「AIの全盛期にオンラインではなく対面で話をきいて、みなさんの心が動いたと思う。その心の動きを持ち帰って、他の人へ伝えて欲しい。今後もエンジン02、03と、市原を起点に文化の輪をつなげて日本中に広げていきましょう」と会場に呼びかけ、3日間にわたる『エンジン01 in 市原』は幕を閉じた。

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