中高年の自然観察会実施

山武の自然を満喫
中高年の自然観察会実施

 旧山武町を中心に自然観察会をはじめて13年目というのが、山武市のボランティアグループ『しぜんめぐりし隊』だ。毎月1回、第3土曜日に自然を求め谷津田めぐりや山歩きを楽しんでいる。ルートを決めるのは会長である飯村扶美恵さん(62)。「車で走っていてここいいなって決めています。まだまだ行ってないところありますよ。それに、同じ場所でも春夏秋冬楽しみ方が違いますから。植物観察をしたり、ホタルやメダカを探したり、ザリガニを焼いて食べたこともありましたね」と飯村さん。毎回アドバイザーとして東金高校の生物教諭であり生物学会普及員の細川隆さんが同行してくれるのも心強い。
 会結成のきっかけは、谷津田へ不法投棄されるゴミ問題だったという。「行政に交渉していましたが、自分たちでも勉強会をしようと専門家の方を呼んだときに、ゴミを捨てると何キロも先の水も汚れるというお話を聞いて、ゴミを何とかしてくれと運動ばかりしていてもしょうがない。自分たちで遊びながら何とかできないかと自然観察会を立ち上げたのが最初でした」。当時は山武北小学校の子どもたちとその母親が中心だったそうだが、「子どもたちも大きくなり、今では中高年の山歩き会です」と笑う。
 現在は20人ほどのメンバーが月1回の自然観察会を行うほか、6年ほど前からは、沖渡近くの休耕田となっていた150坪ほどの田んぼを借り、米作りも行っている。田んぼの脇にはビオトープや田んぼサロンと呼ぶ手作りの東屋も作った。「第2木曜日の午前中は草むしりなどのあと、田んぼサロンでおしゃべりを楽しんでいます。去年もち米を作ったら好評だったので、今年は全部もち米を植えたんです。12月には餅つき大会をしましょうって」と今から収穫が楽しみだ。
 取材で田んぼに伺ったときは、草むしりのあと夜の観察会が予定されていた。しかし突然のゲリラ豪雨が。だが、雨が上がると手作りのかまどで米を炊き、トマトカレーを田んぼサロンでほおばりながら、日が沈むのを待つみなさん。広報でこの会を知ったという女性は「楽しそうだなと思ってすぐ電話をしました」という。スーパーに置かれた会の広報を兼ねた飯村さんお手製のしおりを見たという男性は、「子どもがいないとダメかなと思っていたけど、ジジ、ババと書いてあったのですぐ入れてもらいました。楽しいですよ」と。メンバーはみなさん他県からの転入者だという。雨が降ろうと、蚊に刺されようと、童心に返って自然を楽しんでいる姿は微笑ましい。観察会はメンバー以外の参加ももちろんOK。自然豊かな山武をもう一度再確認してみよう。

問合せ 飯村扶美恵さん
TEL 080・1256・3983

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