スティールパンの音色を日本に広めたい!

スティールパンの音色を日本に広めたい!
スティールパン演奏者 森山蒼瑚君

 夏の日差しが照る公園内でスティールパンの音色を聞かせてくれたのは、茂原市出身の千葉大学教育学部附属中学校2年生森山蒼瑚君(14)。3歳から習い始めたバイオリン、ピアノ、マリンバ、4歳から始めたクラシックバレエ、7歳からスティールパンと各教室に現在も通い続けている。「いろんな楽器を弾くことが好きというより音楽が好きです」と森山君。
 スティールパンと出会ったのが3歳の時で、ビブラフォン(鍵盤楽器)奏者でもありマリンバ師匠の宅間善之さんのバンドで、スティールパンを演奏していたのが現在の師匠である伊澤陽一さんだった。
 スティールパンは、カリブ海に浮かぶ島トリニダード・トバゴ生まれの楽器でドラム缶を輪切りにして表面を叩き音階を作った打楽器で、スティールパンの中の窪みによって音が異なり中心に行くほど音が高くなる。まだ日本では浸透していない珍しい手作りの楽器で演奏者も少ない。7歳の時に御宿にある『月の沙漠記念館』で展示会を見に行った時に伊澤さんと再会し、スティールパンのやさしい音色と華やかな響きに惹かれ習い始めた。
 2007年には伊澤さんが設立した『WAIWAI STEEL BAND(ワイワイスティールバンド)』の最初のメンバーとなり、日本全国で仲間と共にライブ活動を展開している。また2009年には日本を代表するスティールパン奏者原田芳宏さん率いる『PanoramaSteel Orchestra(パノラマスティールオーケストラ)』にも所属し、活動の幅を広げている。
 2つの所属するバンドでは最年少となるため、他の奏者から学ぶことが多いという。アドリブ(ソロ)のリズムパターン、即興演奏の仕方、司会進行のやり方等を自分の中に取り込み実践してみる。「どれだけお客さんを楽しませることができるのかを考えています。そのなかには、自分もどれだけ気持ちよく弾けるかというのもありますけど」と微笑む。
 だが楽しいことばかりではなく、悔しい思いをした時期もあったという。8歳の頃にスティールパン2個で1セットの『ダブルセカンド』に挑戦。だがまだ小さかったので楽器の端まで手が届かず、技術的にも未熟で演奏することが出来なかった。「凄く悔しかったです。出来る人がいるのになぜ自分は出来ない。自分のほうが先に習い始めたのに」とその頃を振り返る。相手が大人であろうと関係ない。負けず嫌いの性格が功を奏した。去年から『ダブルセカンド』を始め、そのおかげで音域が更に広がり演奏できる音楽の幅も広がった。
 時として、ジャンルを問わずに単独でピアノやギターなどのプロ奏者とのセッションをすることもある。「舞台上で直前に曲を変更しても皆合わせてくれるし、自分も合わせる」、コード進行を含めた曲の流れを聴き、それぞれの楽器がひとつの音楽をつくる。観客には、事前に打ち合わせしたように見せるというスリル感もあるという。まさに奏者同士にしかわからない楽器を通じてのコミュニケーションを楽しんでいる。演奏後に、見ていた人に良かったと言われるのが一番嬉しいという。自分の音楽で人を楽しませることが出来たという思いもあるからだ。
 忙しい毎日で学業との両立は大変ではと思いきや「いつものことです」と笑う。将来はどうなるかわからないので音楽だけでなく勉強や運動も今目の前にあることを、日々全力で挑んでいる。 
 今後は単独での活動場所(主に千葉市、市原市、茂原市)でもっと公演を広めていきたいという。9月14日(土)、10月12日(土)には茂原市にある『お菓子の店 レーヴ』で、お菓子と演奏のコラボレーションを行う。
「音楽をやり始めてから世界観が変わり出会う人も多くなった。また、いろんな経験ができる現状を支えてくれている家族や周囲の人にありがとうと伝えたいです」と感謝の心も忘れない。これから、どんな音色を人々の心に届けていくのか、今後の活躍にも注目したい。

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