たくさんの生き物がいるよ 楽しく遊んで谷津田の再生

 『親子で遊ぶ・学ぶ、田んぼの春』といった、小・中学生と保護者を対象にした田植えと、水辺の小動物の観察会が行われた。主催したのは『夷隅郡市自然を守る会』(大藪健会長)。野生生物と共存できる環境づくり、人々の交流を促進するためのイベントを行っている。
 参加したのは、地元はもちろん、東京や船橋、鴨川からの親子連れ47名。インターネットでイベントを知り、参加した家族もいた。
 田植えをする場所はいすみ市荻原。『波の伊八』の彫り物で有名な行元寺横の谷津田で、土地の一部は寺の所有でもある。ここは26年ほど放置された田んぼだったが、里山と谷津田の再生に取り組む『そとぼうわーるど』(目羅暁生代表)と協働で整備し、5年前から無農薬で米を作っている。今回初めて子どもに田植えをさせる準備として、土を荒く掘り起こす「荒越し」、畦を土で塗り固める「畦塗り」、田んぼに水を入れてから土をならす「代かき」といった作業はすでに会員らの手で終えていた。
 晴天が続き乾き始めた田んぼに水路からポンプで水を入れ、続いて紐を張って一人ひとりの区画を作り、その区分に添って苗を植えつける。最初は「ぬるぬるして気持ちが悪い」と言っていた子どもも泥だらけになり楽しそう。付き添う親たちも田んぼに入るのが初めての様子。泥に足をとられながらも子どもと一緒に田植えに挑戦していた。
 今回用意したのは真っ赤な穂をつける赤米と、原種に近い黒米の苗。どちらも背丈が1メートル以上になるという。「黒米は倒れやすく、収穫できる穂が一斉につきません。黒米を育てると品種改良の経緯が分かります」と手塚幸夫事務局長。
 田植えの後は水辺の小動物の採取。田んぼの傍らにある水溜まりに網を入れると様々な生き物が網に入り、子どもたちの歓声があがった。捕れたのはヌマエビ、オタマジャクシ、トウキョウサンショウウオの幼生や、ジャンボタニシやニホンアカガエルなど。そして特別に参加した大多喜高校生物部員が見つけたのはプラナリアという水生動物。体長1cmほどだが、再生能力が高く、5つに切り分けると、それぞれが1個体となるという。1週間に1度エビなどの餌をやれば、冷蔵庫で飼育ができるそうだ。
採取した生き物は透明な容器に入れ、名前や生態などを手塚さんが説明。周辺に自生する植物や両生類、この田んぼに集まる鳥の話も会員である元生物の教師らが行った。
 「捕った生き物を、すぐに会員の方が説明してくださるので、子どもも飽きずに楽しめまた。子どもの拳くらいの外来種のジャンボタニシと赤い卵塊は初めてみました。無農薬だから沢山の生き物が生息できているのですね。親子で貴重な体験ができました」と保護者。
 継承者不足から全国的にも放置される里山が問題となっているが、休耕地を借り、田んぼや畑として再生する事で動物と人里との緩衝地帯ができ、共存ができると会員の一人。昔ながらの田園風景を次世代につなげていきたいとも話していた。
最後に全員で持参したお昼ご飯をとりながらの親睦会。午後から希望者には行元寺の見学もできることになっていた。
 「7月には磯遊び、8月には干潟の小動物観察会などが予定されています。面白そうと思うものがあればぜひ参加してください」と手塚さん。
 会では広く会員や参加者を募集している。年会費は1000円。参加費用は原則無料となっている。

問合せ 夷隅郡市自然を守る会 手塚幸夫さん
TEL 090-0912-2573

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