こでまりの夢~褒めることより『ありがとう』を言おう~

「イライラして、子どもを叱ってばかりいる」という親御さんからのご相談は少なくありません。「褒めなければならないのは分かっているけれど…」。褒めることって、案外難しいものなんですね。「すごいね」「えらいね」と言っても、なんだか嘘くさい。子どもは賢いから、心にもない言葉は見透かされてしまいます。それに、褒めてばかりでも、子どもは言うことを聞いてはくれません。また、兄弟や他の子たちの前で一人だけ褒めるのもNG。他の子が嫉妬したり、いじけたりして、褒めてあげたのに恨まれてしまいます。そう、褒めることは少しテクニックがいるのです。
 親御さんや先生たちに意識してもらいたいことは、子どもを褒めることを注視するのではなく、心からの「ありがとう」を伝えること。「お手伝いをしてくれて助かったよ。ありがとう」と言うだけで、褒められるよりも嬉しい気持ちになります。それは、人の役に立ったという自尊心が芽生えるからです。褒めておだてたりしなくても、「ありがとう」をちゃんと伝えていれば、子どもは自信を持って育っていくでしょう。感謝されることは、自分を認めてもらったと同じことだからです。
 特別なことをしなくても、心が育っていれば結果は後からついてくるもの。子育ての良い種を蒔きましょう。

 

中嶋 悦子(なかしま えつこ)
1965年生。宮崎県出身。二男二女の母。大網白里市在住。エンカレッジ・ステーション(株)代表取締役社長。NPO法人民間児童館おおきなかぶ理事長。社会福祉法人ありんこ会理事長。ありんこ親子保育園園長。保育士。エッセイスト。 Tel.0475・53・3509

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