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「仕事を楽しむ」と決め 70歳で創業 古民家民泊『遊・OGAWAYA』 鶴岡亮一 さん~6/21㈰にミニコンサートも開催~【長南町】

【写真】鶴岡亮一さん(左)と姉の京子さん

 長南町長南の古民家民泊『遊・OGAWAYA』は、2025年11月にオープン。オーナーの鶴岡亮一さん(71)が、実家の築150年の古民家を全面改修したものだ。『小川屋』は、江戸時代から昭和初期まで呉服商を営んでいた地元の豪商で、300年以上の歴史を持つ。鶴岡さんは、両親が他界し空き家となっていた実家を、一念発起し民泊施設として再生させた。「歴史を未来に繋げ、過疎の町を活性化し、実家や地域への恩返しができたら。70歳での創業は全てが新しく、毎日が勉強で、新たな生きる目標となった」と、ハツラツと語る。

葛藤の末の決意

 鶴岡亮一さんは、東京都町田市在住。大学進学で故郷を離れ50数年が経つが、実家の事は片時も頭を離れることはなかったという。大学卒業後、大手事務機メーカーで商品開発を担い、2017年6月に退職。その後はもう一つの顔である革職人として歩み始め、現在は主に婦人用のバッグをオーダーメードで請け負っている。2020年には、40年連れ添った妻の啓子さんが闘病後に他界。「老後を一緒に楽しく過ごすことは叶わぬ夢となった」と、深い悲しみを語る。
 実家は、両親が亡くなり、長らく空き家となっていた。「実家をどうするか」という長年の懸案事項に重い腰を上げたのは、亮一さんが70歳と節目の年を迎える2024年のこと。処分することを覚悟して現地調査を依頼した不動産会社5社が、口を揃えたように「この建物は歴史的価値があり壊さない方が良い。きれいで傷みも少なく、しっかり手入れをすればあと100年使える」。さらに2社から、「リフォームして民泊を」との提案があった。半年悩んだ末に、亮一さんは「歴史と伝統ある実家を残そう。一度やってみたかった会社経営にも挑戦してみよう」と決意。2024年11月には、民泊事業を行う会社を設立した。

明治時代の実家の銅版画

家族の思い出

 亮一さんは、長姉・京子さん、次姉・美佐子さん、長男・亮一さんの3人姉弟。実家は呉服商を畳んだ後、姉弟の子ども時代にも、「小川屋さん」と呼ばれていた。「全盛期には、敷地内に大きな蔵が4つ、周辺の田畑や山など相当な資産があったが、数代にわたる婿養子の代で資産は徐々に減り、辛うじて残ったのが600坪の敷地と母屋を含む3つの建物だと母から聞いていました」と、亮一さん。茂原市在住の姉・京子さんは、「私たちの小さい頃には、まだお茶室がありました。母屋よりも立派な設えでした」と話す。父・亮治さんは庭づくりに熱心で、滝と噴水のある池も自ら造ったという。その池は、現在枯山水となって残っている。亮一さんがボールをぶつけて遊んでいた石や、「日本の田舎を研究したい」と下宿していたアメリカ人が敷いてくれたという敷石もそのままだ。母・壽美さんも手先が器用だった。「洋裁が得意で、夏のセーラー服をお揃いで、スカートとズボンで作ってくれた。水着も作ってくれました」。
 京子さんは『遊・OGAWAYA』の完成に、「建物を残してくれて良かった。裏庭には、柿、栗、梅、蕗、三つ葉に筍があって、娘や孫、友人が、次は何が採れるのと楽しみにしている。その楽しみを奪わないで欲しい、そう思っていました」と、笑顔を見せる。亮一さんは、「僕より地元に残っていた姉の方が実家への愛着は強いと分かっていたので、その想いはずっと気にしていました」と、話す。

150年前の雰囲気が残された和室

いくつものこだわり

『モダンレトロな古民家で過ごす安らぎの一時』をキャッチフレーズに、『遊・OGAWAYA』はスタートした。広さ93㎡、2LDKの1棟貸し。亮一さんのこだわりがここかしこに反映されている。薪ストーブのあるリビング。ノルウェーの老舗家具メーカー・エコーネス社のリクライニングチェアは、亮一さんが革を張り直したものだ。ダイニングには、アフリカ産木材・ブビンガの一枚板のテーブルに、照明付きのグラス棚。和室は150年前の雰囲気そのもの。小襖に描かれた雀の絵は愛らしく、引手には鶴の細かい細工が施されている。妻・啓子さんの思い出にと、洗面所とトイレの漆喰壁を啓子さんの好きだったラベンダー色にした。
「新しいことが好き、企画することが好き」という亮一さん。民泊立ち上げに際して「自分で出来る事は自分で」と定め、会社設立、各種許認可取得、ホームぺージ制作など一人でやってきたが、全く苦にならなかったという。「長南町には困った時に手を差し伸べてくれる人が沢山いる」と、その出会いにも感謝している。BBQ広場やドッグランの増設、イベント開催など、今後の事業構想にも余念がない。「健康を維持し80歳までは事業を継続したい」と、意欲的に日々を過ごしている。民泊、コンサートについて、詳しくはHPかインスタグラム、または電話にて問合せを。 

縁側と庭の眺め

問合せ:『遊・OGAWAYA』
長南町長南2423 長南郵便局そば
鶴岡さん Tel.080・5028・3704

ホームページ
https://artegrulla.com/

インスタグラム
https://www.instagram.com/yu_ogawaya/

●ミニコンサート in 古民家『遊・OGAWAYA』
ヴァイオリンとヴィオラの二重奏
6/21㈰14時開演 大人:2千円 中学生以下:千円
申込 https://www.instagram.com/p/DYJBMkigTe8/