87歳、ヨガに生きる
- 2013/2/22
- 外房版

87歳、ヨガに生きる
東金市在住、NPO法人国際ヨガ協会本部副理事長、九十九里支部長の長谷川幸子さん。県立東金高校で体育科教員として40年間勤務。八街高校で定年後、27年間ヨガの指導を行っている。勝浦市から旭市まで多数の教室を持ち、月曜から日曜まで場所によっては片道2時間以上かけて電車で通い、全国の研修会や会議にも出席している。
バスケットボール部で活躍していた女学校時代は背が高く肩幅もがっちり。当時は屋外で活動をしていたため真っ黒に日焼けしていた。いわゆる「色白の細い女の子」からは程遠く、「男の子みたい」と言われ続けた。そんな時、母親から「女の子だから身だしなみをきちんと整えて、悪口を言われたら、女の子らしくなるよう相手が言ってくれたのだと捉えなさい」この言葉がきっかけでヨガの根底にあるプラス思考の精神が芽生えたそうだ。
ヨガとの出会いは東金高校で体操部の監督をしていた52歳の時。26年間県大会で連続優勝という好成績を収めていた頃、選手がケガをしないよう抱きかかえる補助で疲れ、頭痛、肩こり、腰痛に悩んでいた。そんな折、知人に紹介されたヨガ教室。半年も続けると身体の不調が治り、「ヨガってすごい。将来ヨガを広めたい」強く思ったそう。以降、指導者の資格を59歳で取得し、定年後はヨガ一筋に。
ヨガは身体にいい。例えば、ヨガにおいて大切な腹式呼吸を行うと血液はきれいになり、通常約1分のところ20~30秒で全身を巡るという。だが、「ヨガがいいのは身体にだけではない。大事なのは人間教育という精神。人に優しく。不平、不満、悪口を言わない。逆に言われた時には、気づかなかったことにむしろ感謝し、自分を高めるために受け止める。物事は何でも表裏一体。考え方をひとつ変えるだけで人生は楽しくなる。家庭も明るくなる。飲み会で遅くなって帰ってきただんな様を『楽しくてよかったね』と迎えよう」と長谷川さん。「ヨガが楽しくて仕方がない。この歳なのでみんながいたわってくれるのが嬉しい反面、年寄り扱いされたくないという思いもあるが、ヨガを心から理解した素晴らしい仲間に囲まれて幸せ」と笑顔で話す。
高校教師時代は、照れ隠しのためにふざけた男子生徒の心理が分からず、生徒の襟元をつかんだりと体当たりの教育指導もしてきた。正々堂々と本気で叱り、褒めるときには抱きしめる。「生徒が好き、人間が大好き」と熱く語る。
全力投球で臨んできた様々な経験とヨガとの出会いが、若々しく、真っ直ぐで地にしっかり根の張った今の長谷川さんを作り上げたのだろう。心に栄養とパワーをもらい取材を終えた。
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