障がいがあっても普通の生活を 『母里子ネット』が支援
- 2013/12/20
- 外房版

障がいがあっても普通の生活を
『母里子ネット』が支援
どんな重い障がいがあろうとも、普通に、穏やかに、家族とともに繋がる。そんな充実した時間を過ごしてほしいと、平成18年に特定非営利活動法人『母里子ネット』は活動を始めた。
前身は、長生村北水口の空き家になった民宿を借りてのデイサポートセンターだったが、現在は事業所も3カ所に増え、長生村本郷の『デイサポートセンター母里子』を中心に、同村金田で放課後等デイサービス及び児童発達支援を行っている『母里子クラブ』、そして茂原市上永吉で共同生活介護事業『ケアホーム母里子』を運営している。
「施設によっていろいろ特徴がありますが、ウチは自立や就労というよりは、まず生きる事を目標にしようとしているお子さんが多いです。コミュニケーションが取りにくく、人工呼吸器や鼻からチューブをつけているなど、寝たきりや車イスなど重度の子を多くお預かりしています」と語るのは代表の汐田千恵子さん(54)だ。
汐田さん自身、難病の娘を抱える母親だ。出産で人生がガラリと変わったと話す汐田さんは、当時、世の中からの疎外感、働くこともできない現実に愕然としたという。娘が小学校へ入ると、「普通に暮らしたい。やりたいことはやるべき」とご両親の助けを借り仕事へ復帰した。が、医療行為が伴うと保護者の同伴がないと学校行事にも参加できないなど、重度障がい児には様々な制約の壁があり、その度に辛い思いをしてきた。そして、「本来は国や行政がすべきこと」としながらも、「これは自分で立ち上げることが必要なのかも」と思い始めたという。
仕事を辞め、地域に飛び込み福祉の仕事をやろうと決めたちょうどそのころ、障がい者の法制度改正があり、「その度に重度の子どもたちが弾き出されてしまうんです。もうこんな思いは嫌。もういい、私がこの子たちの施設作っちゃいますって宣言しました(笑)。だからウチは重い子どもたちが多いんです」と汐田さん。
母里子では、利用者がもっと人と関わりを持ってほしいと、散歩や買い物、食事などにもよく出かける。「そうすれば否が応でも町の人が目にしますよね。障がいが重くても選べる場所があってほしい。そして多くの人に理解してもらいたいんです。まぁそれができるのも小さな施設だから。フットワークはいいですよ(笑)」。ただ、そのためには人材がもっと欲しいという悩みも。
問合せ 母里子ネット
TEL 0475・47・4239
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