チームワークで創る豊かな音色

ふたりで弾くって楽しい
チームワークで創る豊かな音色
ピアノアンサンブルサークル アンダンテ

 1台のピアノを2人以上で弾く連弾。自分のパートと相手の出す音を合わせ、複雑で豊かな音楽を創りだす。市原市のちはら台コミュニティセンターで毎週火曜日に連弾を楽しむのはピアノアンサンブルサークル『アンダンテ』。アンダンテとは音楽の演奏記号で「歩くような速さで」という意味。代表の小林緑さんは「仕事や子育てで忙しい方も多いのでゆっくり歩んでほしいと思う」と話す。クラッシックからポップス、流行歌までジャンルは問わない。9人のメンバーは30代を筆頭に70代までと幅広い。
 視聴覚室に入ると2人のサークル員がグランドピアノに向い楽曲を奏でていた。体でリズムを取りながら鍵盤に集中する表情は真剣そのもの。終わるとほっとしたように顔を見合わせ笑顔で立ち上がった。自分の番を待つメンバーは弾き手ペアーのピアノ曲に合わせて指を動かしたり、自分たちの楽譜を見て時おり小声で言葉を交わす。持ち帰って家で確認するためなのだろう、窓際や椅子の上には小さなレコーダーが回っていた。
『名作映画メドレー』、『宇宙戦艦ヤマト』、『ジュピター』、『リベルタンゴ』など1組ずつレッスンしたあと、全員揃うとリレー連弾の練習に入った。同センターで開くコンサートのために行う初めての音合わせである。十数曲が次々と出てくるメドレーは『クリスマスパーティは大騒ぎ』。曲の切れ目に急いで交代し、全員が弾く奏法。入れ替わるタイミングや楽譜めくりがうまくいかないと曲はとぎれてしまう。自分の出番が終わるとおもちゃの鈴や鉄琴を鳴らす伴奏もある。「ここから入って」、「そこはゆっくり」と打ち合わせも気心が知れている同士なのでスムーズ。リハーサルとはいえ室内は賑やかなクリスマスムードで溢れた。メンバーの誰もが「練習が楽しい」と話すように、3、4組ごとに集まり個人宅や公共施設での稽古にも余念がない。
 40代の古家佳子さんは「一人だと妥協してしまうけれど、相手がいると間違えないように頑張れる」と向上心を刺激されている。練習時間は貴重で家ではピアノを弾きながら「早くお風呂にはいりなさい」と3人の子どもたちをせかすこともあるとか。渡部みゆきさんは「指も目も頭も使う。レッスンが終わると全身汗をかいてぐったり」と充実感を語る。サークルで大上千枝さんと知り合い、アマチュアデュオとして地元で開かれる音楽祭などに参加しているという。大上さんは「入って3年目。子どものころ習っていたので20年のブランクは感じなかった」と楽しくてたまらない様子。音楽教師の渡部満紀子さんは70代。「4本の手で音を出すので、表現の幅が広がるのが連弾の魅力。クラッシクだけでなくニューミュジックや洋楽にも挑戦できる。若い方が多く、好みの音楽、ファッションや夫婦の在り方も私たち世代とは違い新鮮。」と話す。
 10周年の今年、記念に千葉のハーモニープラザのホールでサマーコンサートを開催した。視覚的な演出にも凝り、遊び心もいっぱい。シンガーソングライターのアンジェラ・アキをまねてメガネをかけチェックのシャツにジーンズを着て、3種類のリコーダーで『手紙~拝啓十五の君へ』も合奏した。年1回初冬に開くコンサートでもディズニーキャラクターの扮装をしたり、テレビドラマの挿入歌に合わせて小学生の黄色い通学帽をかぶったり。テレビ番組『笑点』のテーマ曲を披露したときには全員ハッピをはおり手作りのマラカスを持って登場し、聴衆を沸かせたそうだ。バイオリンやハンドベルを使って親子共演したこともある。今年のコンサートのパフォーマンスはまだ決めていないとのことで、「今年は演奏で聴かせます」とおどけるメンバーたち。
 創設以来所属している小林さんは「連弾は演奏技術に関係なく楽しめる。ピアニストは自分の音楽を追及しがちになるが、連弾サークルのメンバーは相手に合わせたり、自分を抑えたりできる人が多い。転勤や家の都合でメンバーは入れ替わったけれど、音楽でつながり10周年を迎えられた」と振り返る。会話をするように複数で奏でるピアノがサークルの絆も紡いできた。
コンサート 11月30日(土)13時30分~ちはら台コミュニティセンターにて

問合せ 小林さん
TEL 080・6712・2486

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