- Home
- 市原版, シティライフ掲載記事
- 『曲を生み出す』という表現の進化は終わらない
『曲を生み出す』という表現の進化は終わらない
- 2014/8/1
- 市原版, シティライフ掲載記事
ギタリスト 関秀樹さん
ギタリストの関秀樹さん(35)は、今年6月に自身二枚目となるソロアルバム『Sounds Travels』を発表した。関さんがギターに目覚めたのは湿津中学在学時。「私たちの時代は、いわばB’z世代。友達の影響でCDラジカセを買ってより音楽に興味を持った」と話す、関さん。ギターを手に入れたのは高校入学を控えた春休み。「祖父母が高校の入学祝いで購入してくれたのだが、周りに弾き方を教えてくれるようなギターに詳しい友達はいなかった。本を買って独学で学ぼうともしたが叶わず、買ってもらった手前焦りもあって、楽器教室に習いにいくようになった」という。高校時代は主にハードロックを聴いていたが、大学時代以降はブラックミュージックやジャズを多く聴くように変化。長身の身体からすらりと伸びた長い腕。ほっそりとした指だが大きな手。曲から聞こえるギターの音は、その指がはじき出すには驚くほどパワフルなものだ。大学卒業後にジャズギタリストである岩谷耕資郎さんに師事。それ以降、オランダトップミュージシャンにも指導を受け、幅広いジャンルを演奏することになる。「プロとしての活動をする機会は大学時代のサークル以外でやっていたバンドの影響が大きい」のだとか。
今までに、アニメソング界の帝王である水木一郎さんが歌う企画ソングや、ゲーム『クロヒョウ 龍が如く新章』のサウンドトラック、お笑いコンビのアンガールズが司会を務めるウェブ番組への楽曲提供を行うなど、大きな仕事もこなしてきた。
『賢いハードロッカー』を目指していた関さんは、大学では法学部に通いながらバンド活動に勤しんだ。高校時代から習い続けていたギター教室のおかげで、関さんの『音』は感性だけではなく、自ら手に入れた確かなものとなっていた。「母も文化的な性格で芸術には長けていた。音楽などやらずに仕事をしろなど要求もされず、環境は整っていた」と続けながらも、「実際は堅い職業に就いてもらいたかっただろうというのが、子どもとしての予想。当時の本音は分からないけど、今は喜んでくれている」と笑って見せる。
現在は主に自身の活動に力をいれながらも、曲作りやバンドのサポート演奏など精力的に活動中。「ちはら台のショッピングモールでギター教室を行っているけれど、子どもが思ったように集らない。一番子どもたちに触れてもらいたいのだけど、そもそも楽器店が少なすぎる」と問題を提示。人々がいいなと感じるヒットする曲には理由があり、元々もっているものをうまくついているからで『どこか聞いたことがある』もの。真剣に音楽の職業を目指すか趣味で続けていくかで差異はあるものの、プロや熟練者が紡ぎだす音は聴く者の感性を磨かせる。
「音楽を職業として確立しようとしていたので、覚悟はあった。だからこそ大きな仕事に携わっても、それは仕事。嬉しいことはたくさんあるが、今が結果ではない。ゴールは先にある」と言い、「今は川崎市在住だが、出身である市原に最近は目を向けている。6月14日に五井グランドホテルでのライブには中学生の時の担任が来てくれた。市役所でのロビーコンサートをする機会もあり、地元の人に演奏がよかったといわれると嬉しい」と顔をほころばせる。関さんの仕事においての意識として『一石二鳥』がある。「1個をやって1個の成果は面白くないし成長もしない。1つの仕事を終えたら次は取り組み方を変えてみる。そうすれば、お金ももらえるし、やったことがないこともできる。年をとっていくとともに慎重にはなっているが、先々のクオリティを大事にしたい。それが正解かは分からないけれど」と関さんは語る。大学生の時に初めて作曲をしてから10年以上が経った。今後は、「作品を生み出すことは大事。音楽にまつわる仕事を続けながら、市原でのライブコンサートを半年に一度くらいの期間で行えたらいいな。市原市を含めて千葉はおとなしい。もっとバンド活動を活発化してもらいたいし、幅広い世代に音楽への関心を高めてもらいたい」と全国半分以上の県を周った目で感想を告げる。6月発売のCDはネットショップ『アマゾン』で購入可能。ギターレッスンやイベント等での演奏、作編曲の依頼はホームページで。
http://unlimited-gt.com
JANコード 4580481390419