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今日からキミも、海の生き物博士!?
- 2015/9/4
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市津公民館主催の『勝浦磯探検隊』は毎夏大人気。今年は抽選で当たった14組の小学生親子が参加した。
引き潮の時間に合わせ、バスで『県立中央博物館分館 海の博物館』に到着。講師、主任上席研究員の菊地則雄さんからハオコゼなど危険な生き物についての説明を受け、早速海辺へ。プラスチックの容器と網を手に砂浜へ降り立つ。海は静かで潮がしっかりと引いた状態、探検にはもってこいだ。満ち潮だった6時間前にどこまで海水があったかは、打ち上げられた海藻などが示している。満潮時と干潮時の差は約160センチにもなるという。
いよいよ磯探検。「生き物はみんな、棲みやすい場所を見つけて棲んでいます。砂浜にゴロゴロしている石の下を見てごらん」と菊地さん。早くも「いた!」男子がカニを発見した。この辺りで棲息しているのは、ほとんどがヒライソガニ。それぞれ色が異なるのは周囲の砂や小石と同化し、天敵の鳥から身を守るため。さらに、岩場の潮だまりに目を凝らすと砂や小石に紛れて動く生き物たちが見えてくる。引き潮時に取り残された生き物たちだ。アゴハゼ、ナマコにヤドカリ、自分の体に海藻をはりつけて身を守るイソクズガニ。岩に生えている黄色い突起状の海藻はヒジキ。そして柔らかい管の中からヌーッと出てきた赤い生き物はケヤリムシというゴカイの仲間だそう。初めて見る面白い生き物の出現に大興奮の子どもたち。名残り惜しいが、観察した生き物は元のすみかへ帰すのがルール。
昼食を挟み、後半は海の博物館内へ。海藻を使った栞作りと普段は見ることのできないバックヤードの見学を体験した。緑藻、褐藻、紅藻と3色数種類の海藻で好きな絵、デザインを表現する「海藻おしば」に親も子どもも夢中。ヒラヒラした海藻の形を生かした素敵な作品を作り上げた。家で乾燥させ、1週間もすれば出来上がる。バックヤードでは、研究のための飼育室と標本の収蔵庫を見学した。
小2の孫と一緒に参加していた男性は「海の生き物に実際に触れるという貴重な体験ができてよかった。孫もとても興味を持っていた」と笑顔で話した。
海に棲む多くの種類の生き物の名前を知り、生態について学んだ。それぞれ自らの生命を守るため、工夫しながら生きていることを実感した。