生涯スポーツ優良団体表彰 市原市バスケットボール協会 強みは縦のつながり

 昨年10月、市原市バスケットボール協会が文部科学省から平成27年度生涯スポーツ優良団体表彰を受けた。(公財)市原市体育協会からの推薦によるもので、会長の宮部和男さんは「小・中学校、高校、一般の部の全てがひとつの大きな組織に組み込まれているのが当協会の最大の特徴。横のつながりに加えて縦のつながりができており、審判員や小・中学校の教員、保護者などがお互いに協力しながら各大会を盛り上げていく環境にある」と誇らしげに話す。
 昭和43年に臨海工業地帯の企業チームを中心に発足した。その後、市内高校の卒業生がチームを組んで加盟、続いて中学校・高校部会、ミニバスケットボール(小学校)部会も加わった。ルールや審判技術の向上、指導者の育成に取り組むとともに、競技を通して豊かな人間性を培う競技団体を目指してきた。大会の主催も大きな功績。昭和53年にミニバスケットボールが小学校に導入されたが、中学校以降は大会へ出場する機会が少ないという現状があった。日頃の練習の成果を発揮する場として中学1年生を対象とした大会『麻薙杯』を翌年から開催。平成2年からは市内出身の元女子日本代表選手、積田(つみた)洋子さんの功績を讃えた『積田杯』も開催し、市内中学校全チームを招待している。さらに昭和59年からは『バスケットボール祭』を毎年開いており、市内外の小・中学校、市内の高校、一般の選抜チームが集結し試合を披露。全員参加のフリースロー大会や年間の大会を通して活躍した選手の表彰も行っている。憧れの先輩のプレーを見に訪れる子ども達も多い。
 練習場所の確保や大会の運営などバスケットボールを愛する人たちが意欲を持って続けられる環境づくりが功をなしてか、市内チームのレベルは上々。中学校部会では昨年度、辰巳台中(男子)が県選手権大会で優勝、県総合体育大会では準優勝に輝き関東大会へ出場、ベスト16に進んだ。一般部会では26年度の県民体育大会において男子は1位、女子は2位、3年連続の総合優勝を果たした。また、プロチーム『千葉ジェッツ』の星野拓海選手や『パスラボ山形ワイヴァンズ』の高橋祐二選手など日本を代表する選手の輩出も。
「小・中・高とプレーを続け、社会人になって市内に戻りチームを作る人たちが多いのは喜ばしいこと。少子化の時代に楽しめるスポーツが多種ある中、いかにしてバスケに興味を持ってもらうか。さらなる普及にとりくんでいきたい」と理事長の庄司健二さん。「立派な賞をいただき感無量であるとともに、責任を感じています。『バスケットボールの街 市原』として受賞に恥じないような活動をこれからも続けていきたい」と宮部さんは意欲を見せた。

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