墨書土器に見る神への祈り

 4月9日、ちはら台コミュニティセンターで主催講座『ちはら台学歴史講座、墨書土器から探る神への祈り』が開かれ約50名が熱心に耳を傾けた。講師は、考古学の講義と普及活動を行っている『ちはら台学ゼミナール』の天野努さん。
 墨書土器とは、墨で絵や文字が書かれた古代日本の土器。「歳神」、「国神」など特定の神に人名と「奉」の文字が記されたもの、「神」の文字のみが記されたものなど形態は様々だが、県内各地の遺跡から神への信仰を示す土器が多数見つかっている。千葉県山武郡芝山町庄作遺跡(9世紀)で出土した土器の内側には人面が、外側には「丈部真次召代(めされるかわりに)国神奉(くにがみたてまつる)」とある。丈部真次という人が冥界に召されることを免れるために供え物を盛り、祈りを捧げたものと理解されている。また、県内外で「竃神」と書かれた土器が住居跡から見つかっている。竃神は家族の功罪を天の司命神に報告すると考えられており、竃の中から土器がわざわざ伏せた状態で発見される事例もあることから「悪事を報告されないよう、竃神を封じ込めようとしたのでは。神へ幸せを祈る行為は今も昔も変わらない。墨書土器は古代の人々の信仰を示す貴重な資料です」と天野さん。

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