小湊鐵道社長 未来資産を語る

 7月7日、五井公民館で活動する五井ふれあいサロンが企画した特別講演会『小湊鐵道の歴史と里山トロッコ』が開かれ、84名が聴講した。もはや世界共通語となった『SATOYAMA』の魅力を全世界に発信し、「ローカルはモーカルにしたい」と語ったのは講師の小湊鐵道⑭社長の石川晋平さん(43)。
 大正時代、五井から天津小湊まで鉄道を通そうとした地元の有力者たち。資金調達がうまくいかず、安田財閥を築いた安田善次郎に日参し、出資を決断させたという。「当時鉄道は最新の交通手段」。完工後は多くの客を乗せ運行されたが、他の鉄道同様に時代の流れのなかで、今は危機を迎えている。新車両を最後に買ったのは昭和52年、以来数年に一度塗り替え使用している。
 「一度廃線になったら復活は難しい。変わらないものを大切にし、未来へ引き継ぎたい」という石川さん。熱い思いを託したのが、里山トロッコ列車だ。「目指したのは鉄道員が使うレールバイクの楽しさ。開放的な車両で里山の自然を五感で味わえる」とこだわりぬいて作った車両を愛おしそうに説明する。また、90歳の絵本作家かこさとしさんに依頼したパンフレットがきっかけで出版された絵本『出発進行 里山トロッコ列車』は「重版するほどの人気」で広がりに期待がかかる。
 最後に上映したのは大正時代の鉄道工事の動画。今も走る鉄道が、先人の知恵と苦労のもと、人力で敷設されたことに感慨を覚える。質問が多数あり、聴講者は「社長の若さとビジョンに未来を感じる」などと述べていた。(荻野)

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