競争より協調でプレーに挑むオレンジ軍団

知力とコミュニケーション能力で勝負
市原市ユニカール協会

 冬季オリンピックの正式種目であるカーリングをシーズンオフに楽しめるように考案されたユニカール。氷上をはくブラシのようなものは使わないが、ルールはカーリングとほぼ同じ。特殊なカーペットの上に3キロのストーンを滑らせるように投げ、同心円の目標に近づけプレーする。近年、年齢や運動能力にかかわらず楽しめるチームスポーツとして人気が高まっている。
 「あー行き過ぎた」、「止まってー」、「オッケー、オッケー」と毎月第2・3・4土曜日の午後1時から5時まで、八幡公民館体育館では笑い声が絶えない。プレーするのは70代を中心とした男性13名、女性11名の市原市ユニカール協会会員。同館でサークルとして活動している。
 「明るく、楽しく、元気よく、笑顔を会のモットーにしています」と話すのは会長の森田栄治郎さん(82)。「みんなで喜んだり、悲しんだりできて友人が増えます」。森田さんは手術で入院し、体力が弱っていた時期に誘われて入会。後に千葉県大会で優勝し、「天にも昇る気持ちになり、はまりました」と笑顔を見せる。かつて小学生の孫の付き添いで通いはじめたという笹川輝夫さん(79)は「一緒に東日本大会に出場し、優勝してやる気が出ました。孫はもう大人になりましたが」と話す。元会長近藤歳則さん(80)ら平成10年の創立当時からのメンバーをはじめ、長く続ける会員が多い。
 3人一組のチームは毎回くじ引きで決める。事務局の岩澤直美さんは「初心者も上級者も同じチームで戦略を相談しながらプレーします。新会員が溶け込みやすいスポーツ。しかも車イスに乗ったままでも、視覚に障がいがあっても大丈夫。ユニカールとはユニバーサルカーリングの略です。思った場所にストーンが行くと爽快感がありますよ」と魅力を語る。会が所持する3つのカーペットは円の大きさが異なる。「このアバウトさも楽しいんです」。入会して1年目という吉本明正さん(68)は「みんなに会うのが楽しくてしようがない。優しい人ばかり」とゲームの合間に話していた。
 簡単そうに見えるが、「足腰を動かし、腕も振るので健康にいい。でもやってみると意外と難しいですよ」と守屋記男(のりお)さん(78)。チーム3人が一度ずつ投げ、それぞれ試合の流れを決める大事な一投を担う。相手のストーンをはじき出すため、狙ったところにスピードや角度を調節しながら投げるが、同じカーペットでも湿度によって変化し、滑り方が違うのでなかなか思い通りにならないそうだ。カーリングが氷上のチェスと言われるように、頭脳プレーも必要になってくる。先を見通し、駆け引きをする知力とチームのコミュニケーション能力が勝敗をわける。
 練習中は、30分ある休憩時間の歓談でも盛り上がる。何でも言いたいことを言い合えるのでおしゃべりが絶えない。96歳の母親を介護していた男性にも「近所で顔を合わせるだけではできない踏み込んだアドバイスができました」と女性たちは語る。お花見、暑気払い、新年会も開かれ、事情があって練習に出られない会員も行事のときだけ出席するという。
 協会は全国組織があり、大きな大会もある。試合のメンバーもくじ引きなので、誰と出場するかは運しだい。勝負より試合に行くことそのものの楽しみのほうが大きいようだ。県内ならバスを借りて試合に出かけ、帰りの車中は宴会状態。親しい仲間との小旅行気分になれる。「入賞するとシクラメンがもらえる大会もあります」と岩澤さん。
 揃いのユニホームはオレンジ色のTシャツ。「着始めたころは大会にでるとオレンジ軍団と呼ばれていました」。長いこと色は変えずにデザインを少しだけ変え新調してきた。「あら、このTシャツは古い型ね」と女性が話しかけると男性が「そう、でも体は新しいから大丈夫」と胸を張って返す。すると、周りからは笑いが起こった。チームの強味はこの明るさと仲の良さのようだ。新会員歓迎。入会金千円、会費月500円。

問合せ 岩澤さん
TEL 0436-41-6308

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