住みやすい街づくりをするのは一体誰なのか

 昨年12月上旬に市原市市民会館で開催された市原市主催『第9回市原市精神保健福祉フェスタ』。来場者は約500名で、支援者や医療・福祉関係者、精神障がい者や舞台出場者の関係など様々。実行委員代表の市原地域生活支援センターはばたき施設長である阿部康代さんは、「メインテーマはずっと、精神障がい者とそれ以外の人が共に暮らしやすい街づくりをすることです。たとえ障がいがあっても市民の一員、みんなのパートナーであり、同じ立場で動いてほしいと願っています」と話す。
 精神障がい者といっても、症状の内容は人それぞれである。統合失調症やうつ病、アルコールや薬物依存、発達障がい、高次脳機能障がいなど。昨年まではサブテーマとしてその中の1つずつにスポットを当てたフェスタを行い、講演者にも同じ病気を経験した著名人を招いてきた。だが、どこまでが障がいに当たるかどうかの判断も難しい部分が多く、今年は様々な症状に生かせるタイトルを盛り込んだ。
 千葉県精神保健福祉センター精神科医の林偉明さんは、『心の病を抱えた方への地域医療が目指すもの』として、「体調不良が続くと、半数以上がまずは内科を受診し、精神科へ行く人は7%のみです。精神面への知識不足が根底にあるのが原因ですが、治療が遅れると回復にも時間がかかります。また、うつ病の患者はとても多く、精神科医だけで治療するのは物理的に難しくなっています」と話し、症状の程度によってだが地域全体の医療として向き合っていく必要があると訴えた。また、治療技術は必要だと述べた上で、「医師の判断がすべて正しいわけではありません。自己のすべき判断を肩書きやラベルで流されることは危険です」と懸念した。
 また、NPO法人社会貢献ミュージカル振興会による『虹色の子どもたち』のミュージカル公演では、発達障がいを持っているとどのような行動をしてしまうのか、その時に周囲の大人はどう対応するのが子どものためになるのかなどを、歌を交えて紹介した。「発達障がいは強制では治らない」といい、その病を抱えていたスティーブン・ジョブズなど著名人の名前も紹介された。他にも、東海大学付属高校市原望洋高等学校吹奏楽部らによる『ミッキーマウスマーチ』や『市原サンバ』、『クリスマスメドレー』が演奏されると、会場は一様に拍手に包まれた。
 阿部さんは、「私達は、彼らの出来ないことを代わりにやるのではなく、本人が実行できるようにサポートしていく後方支援の存在です。壁を作らず、距離感を確かめながら活動していく必要があります」と最後に話した。誰にも言えずに悩んでいるという人も、常に相談所の門が開かれていることを忘れないでほしい。(松丸)

問合せ 市原地域生活支援センターはばたき
TEL 0436・24・2925

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