釈迦誕生会とともに芸術を感じて

 今春、市原市椎津にある霊光寺で開催された『花まつり』。境内にある桜がようやく咲き始め、肌寒さが残っていた2日のまつり初日には、多くの近隣住民が足を運ぶ姿が見られた。甘茶や蕎麦もふるまわれた境内の奥にあるのは、本堂と客殿。
 霊光寺の本堂が建立されたのは1756年のこと。かつての久留里藩主黒田家の祈願寺として繁栄したという。花まつりと同時開催されている『書・画・焼物・手芸展示会』について、住職の櫻井密嚴さんは「始めてから7年が経ちますが年々盛況さを増しています。プロ素人の関係なく、みんなで楽しめる展示会にしたいんです。展示された絵の景色からそれぞれの故郷を思い出すでしょう」と想いを語った。
 出品者は桜台や有秋台など近隣住民が多く、地域の繋がりの深さが窺える。力強い書の掛け軸や風景を切り取ったかのような画。そしてなにより目を引いたのは、大きな仏絵(百号)である。
 自身の作品を展示している栢橋在住の橋本善次さんは、「出品者は20名ほどですが、陶器や油絵、水彩画や人形など彩り豊かです。お寺が生きているからこそ、花まつりができる。当たり前のことがいかに大事なのかということを展示会を通して再認識していただけたら」と話した。青葉台から訪れた女性も、「毎年楽しみにしています。評判いいですね」との声。花瓶に生けたゆすらうめの花が、作品の価値をさらに高めていた。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  日本百景のひとつ、茂原公園の満開の桜。春爛漫の風景が堪能できる『茂原桜まつり』の期間中、3年ぶりに『茂原公園・桜の山の春の市』が開催されま…
  2.  読者の方々から映画に関するお問合せが多く寄せられましたので、今年度より「懐かしのシネマ」がスタートいたします。洋画・邦画・監督・俳優等、素…
  3.  昨年のゴールデンウイークに友人から「ウメハルシメジが公園に出たよ」と連絡がありました。ウメハルシメジはまだ見たことがないキノコです。さっそ…
  4.  昨年11月、市原市能満に市原歴史博物館がオープンした。これは既存の市原市埋蔵文化調査センターを増改築した施設で、愛称は『I’Museum …
  5.  御十八夜は市原市の中心に位置する米沢の森の標高162・3mの山頂で、晴れた日には東京湾やスカイツリー、北は筑波山、富士山、南アルプスや鹿野…
  6.  久しぶりに故郷の雑木林の中を散策しました。東日本大震災以来で、10年以上も足を踏み入れなかった事になります。以前は帰省する度、1〜2時間ほ…
  7. 【写真】ぬいぐるみたちのキャンプ  1月29日(日)、茂原市立図書館主催の『ぬいぐるみのおとまり会』が開かれ、児童12名と…
  8. 【写真】智明さんと悦子さん  長南町長南の大谷家具製作所で注文家具を手掛ける、家具指物師の大谷智明さん。静岡で『駿河指物』…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  昨年11月、市原市能満に市原歴史博物館がオープンした。これは既存の市原市埋蔵文化調査センターを増改築した施設で、愛称は『I’Museum …

スタッフブログ

ページ上部へ戻る