「絵に巡り合うための旅」 190ヶ国達成記念絵画展開催

津根秀夫さん(市原市)

  旅の思い出に写真を撮る人は多いが、海外旅行へ行くたびに必ず現地の人物や風物を描いた絵画や写真集を購入するという人は、なかなかいないだろう。ましてや、旅行の最大の目的が観光ではなく、現地の絵画作品や写真集を買うこととなると、尚のこと少ないのでは。そんなコレクター旅を楽しんでいるのが、市原市在住の津根秀夫さん(74)だ。
 津根さんは旅が大好きで30代の頃から、国内はほぼ全域、海外へも多くの国を観光目的で訪ねてきた。そして30年近く経ち、撮りためた写真は膨大な数にのぼり整理も一苦労となった。そこで8年ほど前に、写真ではなく何か別の形で旅の記念に残せるものをと考えたところ、思いついたのが現地でしか購入できないような絵画や写真集だった。
 「絵を買うのは主に画廊でだが、イースター島やガラパゴスなどの秘境に行き画廊が見つからない時は、土産物屋や露天で買うこともある。基本的に油絵を購入するが、砂絵や紐を使って型どった絵を買うこともある。マーシャル諸島では貝やレースを使った作品を買った。また、画家に関しては有名無名は問わない。投資目的の絵画購入ではなく、あくまで趣味のコレクション。購入を決めるのは第一印象で。ミャンマーのパコダ(仏塔)やコスタリカの世界一美しい鳥といわれるケツァールなど、その国ならではの、もしくは代表する風物を描いたものであることも大事」と話す。
 ツアー旅行に参加し、わずかな自由時間やランチタイムを画廊回りに費やし、絵画作品を購入する。「ツアー参加者が皆でランチを楽しんでいる時に、自分はパンをかじりながら画廊へと向かう。または観光地巡りを終え、ホテルに帰ってから急いで画廊へと」。そんな慌ただしい思いの連続で、この8年間に買い集めた絵画作品は約300点。写真集は100冊以上に及ぶ。
 今夏、旅で訪れた国が190ヶ国に達した。これを記念して、展覧会『津根秀夫 世界を歩く~190ヶ国の軌跡~』を開催する。11月22日(水)~28日(火)10~18時まで、五井駅西口近くの五井会館4階大ホールにて。絵画作品と写真集のコレクションが展示される。同時に、津根さんの知人によるパステル画作品やつるし雛も展示。入場無料。
 市原市に本社がある環境ビジネス関連会社で会長職を務める津根さん。社長時代から、「年に10回ペースで」海外へ出かけ、2年前に会長となってからは、「1年の半分は海外に出かけている」ということで、毎月のように海外へ旅する。ちなみに、今年10月にはフランスへ行き、12月に南インド、来年2月はアフリカの西サハラ、3月にオーストラリア、4月はポルトガル、6月にブラジルのアマゾン、7月はイギリス、8月に南アフリカ、9月がスペイン、10月はカナダ、11月にアメリカへ渡航予定。「いずれも過去に行ったことのある国ばかりだけど、思うように絵が買えなかった国を再訪したくて」とのこと。すでに、再来年の計画も立てている。
 このように海外旅行熱に火がついたのは、旅先で出会った人の言葉がきっかけで。「何ヶ国行ったのか?と聞かれ、当時、100ヶ国と答えたら、相撲でいえば小結だね、横綱は180ヶ国以上と言われ、では横綱を目指そうと思っていたら、いつのまにか190ヶ国に。でも、まだ行ったことがない国が9ヶ国ある。アフガニスタン、イラク、シリア、サウジアラビア、イエメン、リビア、マリ、ナイジェリア、西サハラ。あと3、4年元気で旅し、80歳になる前に制覇したい」と朗らかに笑う津根さん。
 会期中は毎日、会場に詰めている予定。是非、絵画鑑賞で世界旅行気分を味わってみては。国内の美術館ではなかなか見ることのできない作品の中から、あなただけの「名画」が見つかるかもしれない。

問合せ 津根さん
TEL 0436・25・1566

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