北の大地に思いを馳せて描く

 1月5日から31日まで、市原市国分寺台中央にあるいちはら市民ネットワーク内アートギャラリーで開催された西島隆史さん(75)による油彩スケッチ展『ロシアから』。昨年6月に旅行したロシアで、実際に目にした風景にイメージを膨らませて描いた作品は7点ほど。そのうち5点をギャラリーに展示した。
 「描き始めたのは30代を過ぎてからです。初めは通信教育の独学で学んだり、絵画のグループ会に参加してアドバイスをもらったりしていました。ここまで続いたのは単純に描くことが好きだったから」と話す西島さん。最近は風景を描くことが多いが、かつては人物や静物を手掛けたことも。
 石油関連の仕事に就き、71歳まで現役で勤めていた。シンガポールに5年、サウジアラビアに6年と海外赴任生活も長かったので、絵を描くことは貴重な趣味だった。「現地の人とは仕事の関わりがほとんど。日本人の友達と食事やゴルフもするけれど、それでも時間がたっぷりあるんです。読書するか絵を描くかでしたね」と、振り返る。休日のみ描く日曜画家だったが、退職後は毎日キャンパスに触れるようになった。
 今まで一水会展、示現会展や東光展、千葉県展の入選、新居浜市展や市原市展での入賞経験があり、「賞が目的ではありませんが、自身の励みにもなりますので今後も挑戦していきたい」と意気込んだ。『ロシアから』に飾られた5枚は、『赤の広場』や『サンクトペテルブルグ運河』など有名な観光地のもの。ラフなタッチで描かれたキャンパスは、色鮮やかな緑から、水音が聞こえそうなほど躍動感が浮かぶ水辺まで様々だ。『水』を描くことが好きな西島さんだが、「色など自分の工夫した部分を人に褒められた時に一番喜びを感じます。
 ただ百枚以上を描いてきて、だんだん美しいだけの絵では満足できなくなっています。そして、誰かの意見も欲しくなる。今では妻が、ちょっと辛口でアドバイスしてくれるんです」と笑顔を見せた。だが、結局は自分が納得しなければ満足できない。そのために描いて、描いて、描き続けている。これまでヨーロッパや東南アジアなど多くの土地を訪れてきた。見た風景を、帰宅後に思い起こして描くことは、再度記憶に焼きつけるようで面白い。
 「今度は中世のヨーロッパだけど田舎の風景を残す、バルト三国に行ってみたい」という旅への思いの他、「風景だけでなく、人が人生として積み上げたものを表現していけたら。難しいんですけどね。それに、大きな作品にどんどん挑戦していきたいです」と話題は尽きなかった。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  市原市を拠点に活動しているVONDS市原ジュニアソフトボールクラブが、今夏に大阪市で開催された『第19回全日本中学生女子ソフトボール大会…
  2. トラツグミ  幾種類かのツグミの仲間が冬鳥として房総丘陵を訪れる。見通しの良い草地や田んぼではツグミ、日差しが差し込む明るい林ではアカハ…
  3. 赤いほおづき  11月4日は晴天日の確率が1位とニュースで知る。朝から雲ひとつない爽やかな晩秋の午後、庭木の手入れも進み、庭の隅に目をや…
  4.  いつもご愛読、ありがとうございます。地域情報紙『シティライフ市原版』は、おかげさまで今号で1500号の発行を迎えることができました。これ…
  5. パスカルの原理(化学の力)を利用したおもちゃを作ったり、スライムづくりに興じたり。8月17日、小学生を対象にyouホール(市原市勤労会館・…
  6.  鹿児島県出身で、市原市美術会・市原市文化団体連合会を設立し、フランスの近代美術館やイギリス王室にも作品が所蔵されている日本画家、故・古城…
  7. 今も健在、観音掘りトンネル  日本には古来から「観音掘り」と言うトンネルの掘削工法があり、将棋の駒に似た上部の尖った形状をしています。トンネ…
  8.  市原市の上総更級公園を中心に開催される『上総いちはら国府祭り』は、今年で第9回を迎える。10月5日(土)、6日(日)の両日に渡って開催時…
  9.  防犯特集第2回は、第1回に続き「電話de詐欺」について、その手口の変遷と、最も新しい方法を紹介する。  手口の変化は、犯人グループが警察…
  10. きかんしゃトーマス ファミリーミュージカル ソドー島のたからもの 5年間で30万人以上を動員した大人気ミュージカルがみんなの街にやってくる!…

ピックアップ記事

  1.  市原市を拠点に活動しているVONDS市原ジュニアソフトボールクラブが、今夏に大阪市で開催された『第19回全日本中学生女子ソフトボール大会…

イベント情報まとめ

  1. ◆サークル 名曲を歌う会 第2・4(火)  14時半~16時 ギャラリーMUDA(ちはら台駅2分) 1回1,300 円、体験半額 ピアノ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る