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季節のスケッチ
- 2019/3/14
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俳画と文 松下佳紀
ふんわり浮かぶ春の雲に見とれていたら、ひょいと仙人が現れ私に手をふった。子供の頃に漫画で見たまんまの格好だ。驚いて目をこらすと、それは嘘のように消え、後には綿雲が浮かんだままだった。このごろ認知症気味なので心配だ▼少年期には仙人に憧れたことがある。摩訶不思議な神通力で何でも出来るからだ。が、それは厳しい修行を要し、簡単ではないことを間もなく知った▼仙人とは中国の道教による理想的人物といわれる。俗世を離れた山中で霞を食い、厳しい修行に堪え、さらに不老不死の身となるのだから神にも等しい超人だ。一方、仙人は無欲で世事にうといという説もある。どちらかといえば、私はそのほうが好きだ。