企画・防犯特集 第2回 「電話de詐欺」の新しい手口!

 防犯特集第2回は、第1回に続き「電話de詐欺」について、その手口の変遷と、最も新しい方法を紹介する。
 手口の変化は、犯人グループが警察の摘発を逃れるために行っている。だましの手口のほか、取得方法も変わってきており、現在増えているものは、これまでの「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」と違い、身内を騙(かた)ることも、振り込みもさせないようになってきているという。

◆現金取得方法の変遷
1. オレオレ詐欺の当初は口座番号を指定し、金融機関の窓口などから振り込ませる手口が主。
2. 金融機関で声掛けが強化された結果、犯人側は、振り込み場所に無人ATMを指定。
3. 無人ATM警戒や振込限度額の見直しなどにより、多額の現金を振り込ませることが困難になった。そこで「バイク便」や「エスパック」などを利用して現金を送付させる手口が一時期急増。
4. 対策を講じた結果、それらの手口も減少。最近では、現金やキャッシュカードを受取に来る、「受取型」という手口が主流になってる。犯人が実際に被害者の自宅などに来て、現金やキャッシュカードを受け取る方法なので、犯人としても捕まるリスクが高いという。
 以上のことから、警察では被害者の協力を得て、現金を受け取りに来た犯人を逮捕する「だまされた振り作戦」を行っている。しかし、犯人グループもこの作戦に対抗し、約束の時間直前に「自宅に行けなくなった」と言って、駅など別の場所に誘導して、知人や会社の関係者と称する者が受け取りにくる手口が増えている。
「この現金受取型の手口では、被害者が現金を用意しなければならないため、金融機関の窓口やATMを利用することがほとんど。このときが被害防止の最大のチャンスといえます」と市原警察署生活安全課員は話す。さらに、カード受取型は第三者の介在をさせないようにする手口であることから、犯人グループも警察の摘発を逃れるために、だましの手口やかたりなどを巧妙化しているほか、現金等の取得方法も変化させている。
 最新の手口では、警察や銀行の関係者を名乗り、暗証番号を聞き出し、キャッシュカードを目の前ですり替える方法がある。被害者が見ている前でカードを封筒に入れ、それを返す振りをして、あらかじめ同じ封筒に用意していた別のポイントカードなどを被害者に渡すというものだ。「調査のために数日は使わないでください」などど言い、犯行の露見も遅らせるという。
 銀行員や警察官が調査のためといって、暗証番号などを聞き出したり、カードを提出して欲しいなどということは絶対にない。「電話de詐欺」は常に手口が変化していることを意識して、私たちもニュースなどで最新の情報を知ることが大切だ。


◆「電話de詐欺」被害を防いだ千葉銀職員に感謝状

 今年7月、「電話de詐欺」の被害を未然に防いだことにより、千葉銀行八幡支店の職員ふたりに、市原警察署が感謝状を贈った。お手柄の横山和美さん、志賀健一さんは、市内在住・70代女性が「三重県に住む母親のため現金が必要」と来店した際、詐欺を疑って110番通報をした。場所を変えて携帯電話で話すなど、女性の行動の不自然さに気づいたからだそうだ。


(資料提供:市原警察署生活安全課)

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