寄り添いながら強く生きたい

いすみ市郷土資料館のオススメ絵画展へゴー!

 9月23日(祝)まで、いすみ市郷土資料館(田園の美術館)で原叶人絵画展『木を描く』が開催されている。原さんは6年前に東京から、故郷福岡を思い出させる懐かしい風景のあるいすみ市に移り住み、93歳となる現在も日々作品を描き続けている。
 同資料館学芸員の嶺島英寿さんは、「原さんのモチーフは『木』。何度枝を切られても成長し続ける木の生命力に、原さんは心を動かされるそうです。私の好きな作品は『万喜城』。城から眺めおろしただろう桜の絵は圧巻」と話す。
 展示中の作品は全部で22点。『万喜城』と『桜』は今回の企画展のために制作されたものである。「先生の思い入れのある作品は『支え合う木』だそうです。先生が、ご自身と今は亡き奥様2人で寄り添う姿をイメージして描かれたのだとか。色に派手さはないものが多いですが、木に存在感や強さがある」と嶺島さんは説明する。その通り、『再生』や『聖夜』ではほの暗い背景にしっかりと木が立っている。枝が上を目指し伸びている姿は、見ているだけで気持ちが前向きになれそうだ。
 また伐られた木『聖樹』は260号サイズの大作である。「企画展にいらっしゃるのは年配の方が多い。ですが、生命力を強く感じる絵なので元気のない人や、ぜひ若い方々にも見てもらいたい」と嶺島さんは続けた。辛いことがあっても木のように逞しく生きてみたい。きっとパワーをもらえるだろう絵に、この夏出会ってみてはいかが。

問合せ いすみ市郷土資料館
TEL 0470・86・3708

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】「手作りの電飾」木村順一  恒例の市原市写真連盟展が11/1(金)~6(水)、夢ホール(市原市更級・スポーツデポ市…
  2.  銚子市は、漁業と醤油の街として有名ですが、2012年に銚子市全域が日本ジオパーク委員会から「銚子ジオパーク」として認定されました。ジオパー…
  3. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…
  4.  10/12(土)から12/15(日)まで開催される、市原歴史博物館(市原市能満)の特別展「旅するはにわ~房総の埴輪にみる地域間交流~」。千…
  5. 【写真】日展 彫刻 2023年  都内六本木の国立新美術館にて、11月1日(金)から24日(日)まで『第11回日展』が開催…
  6.  秋の里山では、山の幸クリの殻斗(いが)の棘が茶色く変わり始め目立つようになる。葉が覆い茂っている林では見分けにくい。花が咲く6月と殻斗が割…
  7. 【写真】Frederic Edward Weatherly『Peeps into Fairyland(妖精の国を覗き見る)』 …
  8. 【写真】お店の前で。『十五や』のTシャツを着た藤本さん(後列中央)と田頭さん(右隣)  緑豊かな市原市東国吉で、県道21号…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る