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仏を描き、ほっとする心を日常に取り入れて
- 2016/9/23
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茂原市在住の尼僧、中谷宥恵さん(72)は毎日午前と午後の2時間ずつ、欠かすことなく仏画を描き続けている。気功師として国内外で長年活躍していた中谷さんは、いつしか仕事や人間関係に疲れてしまっていた。自らの心を鎮め、人生に感謝するため仏道に入り、比叡山延暦寺で修業して尼僧となったのは60歳の時。
「36歳で主人を亡くし、子ども3人を必死で育てました。尼となり、仏画を描き始めて13年。画力を認めてくれた恩師に感謝でいっぱいです。不思議と筆を持つと、色合いや構図が瞼の裏に浮かびます」と話す中谷さんが、描きためてきた仏画はおよそ60枚。炭と絵具で描かれた滝や仏は見事に融合し、細部には色使いを含めたこだわりがよく見える。水の動きや光の具合を描くのは難しく、単色に見えても必ず数種が混じっていて、その時にしか出せない色の再現は不可能だ。
今まで複数の公募展に出品し、大賞や国際美術賞など多くの受賞歴がある。それは国内に留まらずドイツやフランス開催の公募展も同様で、今年はベルギーに出品予定だ。そんな仏画が飾られているのが、中谷さんの自宅敷地内にある祈願寺恵光院である。すべて自費で建設した寺院の中で、中谷さんは「天と神はもともと1つ。ここに宗派は関係ありません。仏画の指導も行っており、みなさん自由に描かれています。法要や祈願だけでなく人生相談も受けていますし、お気軽に仏画を見にいらしてください」と語った。訪問の際は事前に一報を。
問合せ 中谷さん
TEL 090・3500・4642