『オペラ』は敷居の高い芸術…。そんな一般的イメージを払拭するかのように老若男女が楽しみながら和気藹々と稽古し舞台を重ねる『勝浦歌劇団』。総監督には日本を代表するソリスト(テノール歌手)である藤原歌劇団・村上敏明さんが就き、オペラ歌手であり画家としても活躍する栗原大輔さんが芸術監督として東京から毎回の稽古にやってくる。こうした豪華な指導陣は地方においてレアなケースと思えるが、両氏とも勝浦に魅せられ、ビジネス抜きの感覚で足を運んでいるという。
そもそも、平成26年の勝浦芸術文化交流センター「キュステホール」(以下、キュステ)の開館時、勝浦市が市民参加型のイベントを企画し、栗原さんがプロデュースを依頼されたことがはじまり。栗原さんの旧友・村上さんの参加も実現し、まず合唱団員を募って村上さん企画&栗原さん監督で市民コンサートを開催。それが好評だったことから、合唱団の名称を「勝浦歌劇団」としてオペラに発展した。
これまでに行ったのは、平成29年に『カルメン』、『トスカ』の2公演、30年にオペレッタの最高傑作『こうもり』のガラコンサート。ちなみに、村上さん、栗原さんは指導のみならずメインキャストとして登場、また、『カルメン』では市長役で勝浦市の猿田寿男市長がサプライズ出演した。そして、令和になった今年8月24日に予定されているのは、昨年に続き『こうもり』。オペラ観劇初心者でもわかりやすいようハイライト版を日本語で上演するスタイルは踏襲するものの、今回は前回とは趣向を変え、歌劇団メンバーはパーティに招待された貴族とその子息、令嬢たちという設定となっている。
なお、勝浦歌劇団では、現在、この『こうもり』のキャストを募集中(年齢不問)。これから本番までの練習日は、7月11日、25日、8月1日、8日、22日、23日(いずれも木曜日、キュステにて)。時間は、小学生までの児童合唱部(現在13名)が17時~18時、大人の部(現在20名)が18時~21時。村上さん、栗原さんに加え、地元から新井薫さん(音楽監督)、岡田麻美さん(児童合唱部音楽監督)、伊藤栄子さんが指導に加わる。
マリーアントワネット風の豪華なロココ調ドレスを身にまとったメンバーがにこやかに「この衣装、インターネットで1万円くらいだったんですよ」。思いっきり着飾ることができるのも、オペラの舞台ならではのことだ。でも、歌は苦手だから…という人のために、「ドレス(和服可)着用で舞台に上がり、オペラ歌手気分を味わおう!」というユニークなコースも有(参加費5千円)。こちらは予め歌の練習が不要なため、前日リハーサルからでOK。親子での参加大歓迎。みんなでとことん、オペラを楽しもう!というのが勝浦歌劇団なのである。
世界で活躍する一流のオペラ歌手と同じ舞台に…。かなり自慢できるかも。
問合せ:勝浦歌劇団
TEL.080・3600・9309