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古代ハスと桜 花で明るい地域づくり【市原市】

【写真】市原市農政センターに植栽され、翌2005年に咲いた大賀ハス

 青葉台在住の田中達郎さんは、自治会活動や個人的な国際ボランティアなどを行っている。36年務めた市原市議会議員時代からつながっている活動もあるが、近年、気がかりなのは『花による地域づくり』だという。「故郷を明るく、きれいな地域、住みよいまちにと、議員時代に桜の植樹や大賀ハスの植栽を推進し、市や各企業、市民の方たちと一緒に実施したのですが、桜もハスも最初に植え始めたときからかなり年数が経っています。管理するボランティアの方々の高齢化、環境の変化などで、維持が大変になっている所もあります。花は心を和ませ、豊かにする平和の象徴。子どもたちに美しい故郷を残していくためにも、多くの方に関心を持っていただければと思っています」と話す。
 市原で桜の植樹が始まったのは30年前。田中さんは、まちづくりや地域住民交流のきっかけにと、市議会で継続的に提案した。「市や町会、ボランティア団体の協力などで、市の公共施設、公園、河川の堤など10数年以上かけ、河津桜、ソメイヨシノ、秋咲きのヒマラヤザクラなど、合わせて約4000本が植えられました。例えば五井の養老川沿いの遊歩道に植えられている河津桜。ボランティア団体による市民参加のオーナー制度で植樹され、今でも毎年、近隣住民の楽しみになっています」

住宅街の中、公園に咲く桜

 桜の植樹が始まって10年後、市原市内で大賀ハスが植栽されたのは2004年(平成16)。千葉公園の大賀ハスの分根10本が市原市農業センター(当時は農政センター)敷地内の池に植えられた。田中さんは桜の植樹と並行し、ハスの植栽も地域づくりの一環として推進。企業やゴルフ場、学校や公園など、関係各所に呼びかけ、2006年(平成18)からハス種や分根を配布・植栽する手配に回った。「大賀ハスは、千葉市で1951年(昭和26)に古代の泥炭層から3粒発見された実が、1粒だけ生長したところから始まっています。千葉市内3カ所に分根されて開花し、うち1カ所が千葉公園。発見した植物学の東京大学・大賀一郎教授(当時)にちなんで名づけられ、千葉県の天然記念物となりました。2007年(平成19)、市原市内で植栽された所のひとつが出光興産㈱千葉事業所です。事業所OBの中尾勝喜さんの仲立ちで実現し、今も社員の皆さんに大事にされています。関係者による観蓮会も度々行われ、国内外から来所される方たちなどにとても好評とのことです」

2007年、植栽決定の出光興産㈱千葉事業所にて、市などの関係者と社員の皆さん。前列左から3人目が田中さん、4人目が中尾さん

 大賀ハスは、実と同じ地層から出土した丸木舟の年代測定に基づき、約2000年前・弥生時代のハスと推定。古代ハス、世界最古の花とも呼ばれ、1993年(平成5)には千葉市の花にも指定された。開花期である5月下旬から7月上旬の千葉公園は多くの鑑賞者で賑わい、『大賀ハスまつり』も開かれている。「千葉公園の大賀ハスは、市原も含め、国内外の多くの地域に分根され、友好と平和の使者として親しみ愛されています。市原市農業センターの大賀ハスは、近年の異常気象の影響で今のところ開花するかどうか、という残念ながら不確定な状況です。また、花を通した地域のまちづくり活動は桜やハスだけでなく、道路沿いの歌壇作りやオープンガーデンなど、四季折々、様々に行われています。ぜひ各地域で応援していただければと思います」と田中さんは話した。

●市原市農業センター
 市原市安須980 開園時間:9~16時半
 駐車場有り 入場無料
 Tel.0436・36・4187

●千葉公園
 千葉市中央区弁天3の1の1 常時開園
 入場無料 開花状況など詳細はホームページで
 HP:https://chiba-park.com/