春が華やぐ壁掛けお雛様

 女の子の健やかな成長を願い、人形を飾り桃の花やひし餅を供えてお祝いをする雛祭り。お祝い事がなくても雛人形を飾るだけで春の訪れを感じ、はずんだ気持ちになれる。
 1月12日、キルト講座『お雛様の壁飾り』(全4回)が姉崎公民館主催ではじまった。教えたのは同館で活動するパッチワークサークル『ファン』の講師大橋愛子さんとアシスタントの宮川さん。参加者24名が立ち雛をモチーフにしたタペストリーを作った。大きさは縦65センチ横30センチ。お雛様の着物や帯の素材は縮緬(ちりめん)を使う。
 初回は土台の白い木綿に図案を写すところからスタート。まず、お雛様がまっすぐに立つように白布の中心と下に置いた図案の中心を合わせ、正確に印をつける。しかし、大橋さんが「今日を乗り越えればあとは簡単です」と言うほどはじめから作業は難しそう。どこに印をつけてよいかわからない参加者から声がかかり、講師は机の間をあちこち回りアドバイスする。初対面同士の参加者も隣に座ったご縁でお互いに教えあいながら図案を写した。
 次は首と顔。人形の顔と首のアウトラインが予め描かれた白い小さな布をハサミで切り抜く。切り取った首の布に柄の入った四角い襟用の布を折り、斜めにあてて襟をつける。布はそれぞれ形が異なるけれども小片。顔の布に襟を付けてしまい、あわてて大橋さんに駆け寄る女性もいた。
 細かい作業は丁寧に進めなければならない。講座時間内に仕上げることはできないので、グループにわかれ宿題の説明を受けた。縫い方は糸目が表に出ない「奥たてまつり」。大橋さんが縫って見せると参加者は顔を寄せるように手元に注目した。顔は周囲をぐし縫いで丸くして台につける。次回までに男雛の着物や袴も縫ってくるのだが、「わからなければ次回教えます。サークル開催日第2・4金曜日に聞きに来てもいいですよ」と完成するまで優しく手助けしてくれそうだから心強い。
 今回の材料は大橋さんが用意した。「着物柄は数種類あるので同じモチーフでもそれぞれ雰囲気が変わります。見本より明るい色を使用するので華やかになるはず」とのこと。2回目は女雛、3回目はキルト綿を重ねて縫い合わせる。4回目はフチのバイアステープをつける予定だ。
 70代の女性参加者はキルトを習うのは初めて。「講座がはじまる日をワクワクしながら待っていました。今年孫が成人式を迎えたので、子育てが一段落した娘にねぎらいの気持ちを込めて作ってあげたい」と楽しそうに手を動かしていた。大橋さんは「好きな柄を組み合わせ、布を選ぶ時間が一番楽しい」と手作りの魅力にはまって30年以上。「講座をきっかけに針を持つことに親しんでもらいたい」そうだ。

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