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『低栄養』を予防し、健康長寿を目指そう
- 2017/12/15
- 市原版, シティライフ掲載記事
~中高年には自身のためと同時に親の介護にも役立つ~
11月8日(水)、保健センターで食生活改善協議会(以下、食改さん)五井支部主催『低栄養予防教室』が開催された。受講者は50代から80代の女性21名。開会式では保健センター長から同協議会長副会長の山本美智子さんが『平成29年度市原市表彰 環境衛生や保健の増進に尽力し特に功績が顕著な方』を受彰したことが報告された。
そのあと『低栄養予防』、『具合が悪い時のひと工夫』、『高齢期をいきいきと』の講義が行われた。 「この飽食の時代に低栄養?」と思うかもしれない。だが、元気な高齢者にも起こるので注意が必要なのだ。低栄養とは、健康な身体を維持するために必要なエネルギーとたんぱく質が不足している状態のこと。
高齢者は加齢による身体の変化で噛みにくい、飲み込みにくいなどの機能の低下や、活動量の低下と共に食事の量が減ったり、気力の低下で買い物や料理がおっくうになり、食事を抜いたり好きなものばかり食べ食事が偏り、低栄養状態になっていることがある。低栄養になると抵抗力が低下し、風邪から肺炎などの病気を引き起こしやすくなる。また、軽い病気でも回復に時間がかかる。
そこで、まずは低栄養予防のための食生活をということで6つのポイントが紹介された。
1、1日3食バランス良く食べる。食欲がない時は少しずつ何回か分けて食べる。
2、魚や肉、卵などの良質な動物性たんぱく質や、骨粗鬆症予防のためカルシウムが豊富な牛乳・乳製品をとるように心がける。
3、塩分は控えめに。加齢により味覚が衰え、濃い味付けになりがち。1品は薄い味にするなどメリハリをつける。
4、喉の渇きを感じにくくなるため、脱水症状に陥りやすくなる。お茶や飲み物で1日1200~1400mlの水分補給を。
5、栄養が偏らないように好きなものばかり食べたり、インスタント・レトルト食品ばかり食べるのはやめる。
6、楽しく食事ができる環境づくりも大切。家族や友人と一緒に食事をする機会を積極的につくる。
次に、具合の悪い時のひと工夫について。食欲がない時には、好きなものを小分けにして食べる。熱っぽい時は、脱水症状になりやすいので十分な水分を。歯の具合が悪い時は、根菜はじっくり煮込むなど柔らかく飲み込みやすいものを。便秘がちの時は、食物繊維を多く含むイモなどの野菜や海藻、バナナやリンゴなどの果物、腸の働きを良くするヨーグルトや水分をとる。下痢の時は、脱水症状になるのでスポーツ飲料などで水分補給。
最後の講義『高齢期をいきいきと』では、加齢による身体機能や精神機能が低下するのはやむを得ないが、何もしないでいると知らず知らずのうちに心身の衰えが進み、低栄養やロコモティブシンドローム、認知症を引き起こす可能性があると注意を呼びかけた。そして、平均寿命から健康寿命を差し引いた年数が介護や病気などで日常生活が制限される期間。男性は約10年、女性は13年。つまり、この年数、寝たきりや介護が必要になるということ。健康寿命を延ばし、寝たきりや介護が必要になる期間をできる限り短くするために、健康的な食事や規則正しい生活を心がけましょうと講義を終えた。
続いて、いちはら歯っぴい8020応援隊の先崎さんと斉藤さんによる健口体操。「唾液の分泌でお口の機能をアップしよう」と、全員でテキストに書かれた「あるこう うめがせ あいうえお」など市原市の名所や名産が盛り込まれた『いちはらはっきり言葉』等を。次いで、同協議会三和支部の比護さんが、いいあんばい体操を指導。
熱心にメモをとりながら講義を受け、お口の体操をして全身のストレッチもした受講者の皆さん。6班に分かれて調理実習スタート。メニューは、きのこの混ぜごはん、具だくさん豆腐バーグ甘酢あんかけ、バナナと小豆のクリーム春巻き、トマトとレタスのヘルシー味噌汁。各班に推進員がつき調理をサポート。料理完成後に試食会。班ごとに今回の感想を発表し終了となった。「お口や身体の体操も料理も、介護している95歳の脳梗塞の母のために活かせる」、「ハンバーグのあんかけは、合いびき肉でなくさっぱりした出来上がりの鶏挽肉を使うというアイディアが良かった」、「チーズの使い方もいろいろあるんだと改めて知ることができて、毎日の料理の参考になった」など皆さん、嬉しそうに語った。