「寿」の文字をあしらった小袖、漁師の晴れ着と言われる「万祝(まいわい)」。県立中央博物館 大多喜城分館では、今年度の企画展として「福を呼ぶ小袖と房総の万祝」を12月6日(日)まで開催中。
「近年、風水害や新型コロナウィルスなど多くの問題が発生しているなか、小袖と万祝に描かれた吉祥模様と呼ばれるおめでたい模様を紹介し、少しでも華やいだ雰囲気を味わっていただければという思いから企画しました」とスタッフは話します。
小袖は、現在の和服のもととなったきもの。江戸時代、上流階級を中心に豪華絢爛な刺繍や染め模様が施され、たびたび流行柄や独特なデザインが出るなどして、発展しました。万祝は、房総の漁師たちにより誕生したといわれ、ブリやイワシの大漁などを感謝し祝う晴れ着として江戸時代から作られてきました。色とりどりの色彩で描かれ、今も継承される衣裳です。
この展示会では、ふたつの和服にあしらわれた福を呼び込むおめでたい模様を紹介。細かい文様の織や金糸などを使った刺繍、大胆なデザインなど様々な技法を駆使した小袖は、国立歴史民俗博物館所蔵などの実物、着飾った女性たちを描いた浮世絵、江戸時代のファッションカタログとも言われる「小袖雛形本」を展示。万祝も鶴や亀、松竹梅などが色鮮やかな実物、漁師の姿が描かれた浮世絵や銅版画、注文から製作までに必要な雛形本や型紙、染色用具などを紹介。写真パネルを含め71点、そのうち千葉県指定有形文化財が29点、九十九里町指定有形文化財が4点含まれます。活気ある江戸時代の世相を反映した吉祥文様で、華やかな「福」を感じてみませんか。
◆企画展 「福を呼ぶ小袖と房総の万祝」
・12月6日(日)まで 9時〜16時半(入場は16時まで)
県立中央博物館大多喜城分館(夷隅郡大多喜町大多喜481) 月曜休館(祝日の場合は開館し、翌日休館)
・一般300円、高・大生150円、中学生以下と65歳以上・障害者手帳を持つ本人と介護者は無料
※新型コロナウイルスの感染状況により変更する場合あり
TEL.0470・82・3007