アーチェリーと吹き矢でさらにパワーアップ!『Dankai Power Club』

 パワー溢れる団塊の世代が活躍しているのは、市原も例外ではない。毎週木曜日ゼットエー武道場(旧、市原市中央武道館)で活動している『Dankai Power Club』はその1つだろう。『Dankai Power Club』は、アーチェリーと吹き矢の2種類を行う複合スポーツ教室である。「クラブは元々、団塊のアーチェリー&ターゲット吹き矢教室としてスタートし、目的は団塊の世代のコミュニティーづくりでした。スタートから2年目で当初想定していなかった団塊世代のパワーのすごさが出てきた。そこで教室名をDankai Power Clubに改名しました」と話すのは市原市アーチェリー協会の内藤和夫さん。 
 午前9時から12時までがアーチェリー、1時間の昼食休憩をして、午後3時までが吹き矢教室となる。現在の所属人数は28名で、初年度最初の活動日であった取材日には新しく6名のメンバーが訪れた。「今年3月での退職を機に、友達の紹介で来た。健康のためにもスポーツをしてみようと思った」とその中の男性が話す。
 アーチェリーは弓で矢を射、標的を狙う射的競技である。弓の種類はリカーブボウ、ベアボウ、コンパウンドボウの3種類があるが、『Dankai Power Club』ではリカーブボウを主に用いる。また室内体育館で行うインドアアーチェリーなので、的までの距離は18メートル。初心者は3メートルから練習する。
 同協会の磯輝雄さんは、「ほとんどの方がここで初めてアーチェリーに触れている。それでも半年もすれば型もしっかりとする。普通のスポーツはラインをまたぐと失格になったりするが、アーチェリーは片足なら大丈夫など独特のルールがあって面白い。また、障がいを持った方も車いすで同じように参加できます。腕が不自由でも口で弓を引くことも出来るんです」と説明。同クラブでは他にも『人に向けて引かない』などルールを定めているが、「重要なのは集中力」だと磯さんは続ける。「他人との争いがないスポーツ。誰かが自分よりいい点数を出すと羨ましかったりするが、自分も集中すれば結果は出せる。ゴルフに似ているかもしれない」のだという。一度の射的は、2分の間に3射。どれだけ集中できるかが鍵になる。
 所属して1年半になる長澤光信さん(67)は、会社を退職してから入部した一人。短期間のうちにみるみる上達し、県民大会にも出場する腕前だ。アーチェリー協会が主催する大会でも優勝する同クラブのエースである。「きっかけは暇だったからだけれど、ここに入って友達もたくさんできた。足腰が強くないと射形を保てないため、毎日10kmを1時間ほどかけて早足で歩いている。人より練習量が多いことが上達した理由だろうが、一定量上手くなってからどれだけ伸びるかが大変」だと語る。腕の筋を痛め、全治3カ月だったが、痛みを堪えながら試合に出たこともある。
 そこまで彼らを引き付けるアーチェリーの魅力とは何なのか。背筋を伸ばし、矢を設置する。左手を前に押しながら、右手で弓を引く。左目を閉じ、右目で的を見据える。的の中心を見つめて右手からふっと力を抜いた時には、矢がバシッと的を射抜く音が響く。矢が的の中心にあればあるほど、一瞬で心が浮き立つ不思議な感覚に襲われる。爽快感だ。
 また、「どんなに出来が悪くても、何度でも先生が教えてくれる」、「気持ちを一定に保つのは難しいが、面白いと思い続けている」、「みんなの矢を作ってくれる方がいたり、ここにはアーチェリー以外でも面白いと思える人がいっぱいいる」とメンバーは口々に話す。数人の指導者が見守り、構え方などを丁寧に教える姿もみられたが、これもメンバー上達の所以だろう。他にも矢を入れて腰に下げる道具であるクイーバーを、着物でリメイクして作ったりと独自の楽しみ方をしている人もいた。初めて体験した方からは、「先生の弓を持って重さに驚いた。でも続けてみたいと思う」、「頭で分かっていても身体が慣れるまでは大変。的が近いのに当たらない」など様々な感想が聞かれた。
 最後に磯さんは、「教える人も教わる人も同世代だから受け入れやすい。入部は時期を問わず随時可能です。ターゲット吹き矢もアーチェリーと違った面白さもあるし、月1回第3木曜日にはビームライフル射撃もやっています。興味のある方はご連絡をお待ちしています」と笑顔を見せた。

http://iaa.sports.coocan.jp/
問合せ 市原市アーチェリー協会 辺見さん
TEL 090・8725・6770

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