「響け 双葉の和音」 第14回東日本学校吹奏楽大会金賞受賞

市原市立双葉中学校 吹奏楽部

 第20回東関東吹奏楽コンクールで金賞を受賞した市原市立双葉中学校吹奏楽部が、10月に群馬県前橋市で行われた第14回東日本学校吹奏楽大会に出場、見事に栄えある金賞を獲得した。
 同大会前に48名の全部員で揃えた濃いピンク色のTシャツには「TOP OF JAPAN」、「響け 双葉の和音」の文字が。「昨年は千葉県内のコンクールで終わってしまったので、今年こそはとの思いがありました。金賞がもらえて嬉しい」と部長の佐藤理奈さん(3年)。前日から現地入りし、夜も早朝も練習に励んだ。朝早くから頑張りすぎたのか、体調のすぐれないメンバーも。本番では、緊張したためミスもあったが周りからは「感動したとの言葉がもらえた」と嬉しそうに話した。
 同校が披露した曲は鈴木英史作曲の『大いなる約束の大地~チンギス・ハーン』。「作曲者は東洋と西洋の融合を表現したと聞いているが、今回はチンギス・ハーンがモンゴルを統一したストーリーをイメージして演奏しました」と顧問の上野佳桜里教諭。序章の緊張感ただよう旋律は暗闇で敵を待っているところ。太陽が昇り、辺りが明るくなって敵と戦う場面へ。次々と遊牧民を統合し、仲間を増やして領土を広げていくところが聞かせどころでもあり、難しいところでもある。「他の楽器、他のパートと音を合わせることと、吹き方を統一させることに苦労した。一つひとつ音の粒が立った、よく響く音が出せるように努力しました」と副部長の外山未来さん(3年)と渡邉千里さん(3年)。終盤は戦いが終わり、平和が訪れる。チンギス・ハーンは、統一したモンゴル帝国を見下ろしつつ永遠の眠りにつくといった構成だ。モンゴル帝国始皇帝の威風がたっぷりと伝わってくる、まさに圧巻の演奏だ。
 昨年こそ目標に届かなかったというが、平成23、24年と2年連続、東関東吹奏楽コンクールで金賞を受賞。平成24年には東日本学校吹奏楽大会でやはり金賞を獲得している。毎年上位入賞の秘訣を尋ねると「基礎練習と、同じ高さの音を長い間伸ばすロングトーンの練習をしっかりとやったからかな」と副部長の2人。練習はほぼ毎日で、土日と、盆休みを除く夏休みは朝から夕方まで。「特に夏休み、暑い中での練習はしんどい。もっと遊びたいなと思うこともある」と話すが、先輩から代々引き継がれている言葉が「現実から逃げるな」。厳しい練習を乗り越えてこそ、質の高い演奏が維持できるのだろう。「いい結果が出たときは続けてよかったと思う」と佐藤さん。
 大仕事を終え、11月3日には市原市市民会館で行われた『夢の架け橋コンサート』に出演した。曲目は前述の難曲の他、『リトルマーメイドメドレー』と和泉宏隆作曲の『宝島』。重厚な『大いなる約束の大地』とは打って変わって華やかな雰囲気の2曲。『リトルマーメイド』では、画用紙で作ったカニの爪やカラフルな魚の尾ひれを小道具に振り付けをしたり、楽器を手に波を表したダンスをしたりと海のイメージを盛り上げた。『宝島』は打楽器が刻むサンバのリズムに合わせて青、黄、ピンク、オレンジと色とりどりのポンポンを使って踊るなど、視覚的にも楽しいステージ。コンクールと違い、「楽しんで演奏します」と部員たちは口を揃えた。
 「毎年、入部したての1年生は先輩たちの練習量の多さに驚きます。楽器を触るのがゼロからのスタートの人も多い。今の3年生もそうでした。わけがわからないまま、無我夢中でよく頑張ってついてきたと思います」また、「女子が圧倒的に多いので普段は気の合う人同士でグループを作っているが、いざコンクールを前にすると一致団結しようという意識のもと、まとまってくるのが素晴らしい」と上野教諭。
 3年生は間もなく引退を迎えるが、1、2年生はアンサンブルコンサートやソロコンクールに向けて、既に猛練習が始まっている。次期部長、2年生の石毛杏奈さんは「楽しく盛り上がるところと集中するところのメリハリがあるのが、この部のいいところ。今回、大会に出場できたのは3年生の先輩のおかげ。とても嬉しかった。これからは自分たちが先頭に立ち、先輩を越えるくらいの気持ちでみんなを引っ張っていきたい」と抱負を語った。

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