小さな市のにぎわい 山里 吾郎

 外房・勝浦は人口2万人に満たない首都圏最小の市。一本釣りのカツオをはじめイセエビ、アワビなど漁業基地としての知名度は高いが、その一方で過疎化という厳しい現実にさらされている。どうすればにぎわいを演出し、まちおこしにつなげられるか―市を挙げての模索が続く▼素材はある。伝統の朝市、B級グルメの勝浦タンタンメン……。そのひとつで、全国区に育ちつつあるビッグひな祭りのにぎわいに触れてみようと寒気が残る2月末、海辺のまちを訪れた▼大多喜から内陸を抜けて坂道を降りるように外房の海岸線を目指す。途中各所に「ひな祭り」の看板。どうやら予想以上に市を挙げて取り組んでいるようだ▼漁協に近い駐車場に車を置き、まず向かったのはビッグひな祭りの代名詞・遠見岬神社。人だかりで埋まる狭い境内から前方を見上げると赤い絨毯の上に鎮座したきらびやかな雛人形。60段に並ぶ1200体の男雛・女雛。大勢のカメラマンに混じり、迫力のパノラマ(全景)をパチリ▼ここから商店街に並ぶ人形さらに今年がお披露目となる芸術文化交流センターの5000体飾りも見学した▼千葉勝浦のビッグひな祭りの始まりは2001年。先進地・徳島県勝浦町から7000体の雛人形を里子として預かり、これをもとに使われなくなった人形の寄贈を全国に呼び掛けた。今年飾られた雛人形は30000体に及ぶ▼2月20日から3月3日までの12日間、勝浦を訪れた観光客は15万3千人。4日間雨にたたられたにもかかわらず前年より増加するなど知名度は着実に上がってきている。

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