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こだわりは、リアルさと強度、そしてオリジナル
- 2015/2/27
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みずみずしいミカンやイチゴ、醤油の香ばしい香りが漂ってきそうなみたらし団子、肉汁がしたたりそうなステーキやハンバーグ…。ずらりと並んだ果物やお菓子、料理は全て粘土で作られたもの。しかも、極めて小さい。
大網白里市で、ご主人と小学3年生の息子さんと暮らす平田美樹子さん(39)の作品だ。平田さんが本格的にミニチュア粘土細工作りを始めたのは2年ほど前。「子どもの頃から手先を使う物作りが好きで色々なジャンルのクラフトを楽しんでいました。
結婚してからも独学でミニチュア粘土細工を作っていました。そして、子育てをし、やっと子どもも手が離れた時に、近所にある予約制のカフェで委託販売を始めると聞き、やるからには集中してやろうと考えていたので、カフェへの出品を励みに制作に打ち込みました」と話す。
2012年にはハンドクラフトのコンテストで特別賞を受賞したこともある彼女の作品づくりには、3つのこだわりがある。1つ目は、市販されている粘土型は一切使わないこと。2つ目は、樹脂粘土や特殊粘土、特殊溶液等を利用して柔軟な材料選びを心がけ、リアルさを追求すること。3つ目は、特に強度にこだわり、丈夫で長持ちする作品を作ること。
平田さんは、「私が独学で制作を始めたのは、決められた制作方法ではなく、様々なことに挑戦して、自分なりに研究を重ね、何かを生み出したいという思いがあるから。自分流の制作方法でオリジナルを作りたい。オリジナルを自分の武器にしたいのです。それから、作品はすべてキーホルダーや携帯ストラップ、ブローチなどに加工して、持ち歩く楽しみを第一に考えています。だから、使う人が長く楽しんでもらえるように、作品の強度を高めることを信念としています」と語り、ミニチュアであることについては、「小さいものがいいんです。難しいでしょ?って聞かれますが、難しいほど私にとって刺激がある」と笑顔で答える。
リアルさを追求するため、料理の盛り付けの勉強もする。「本物の料理と違い、粘土では匂いや湯気もなく色だけで美味しさを表現しなくてはならない。まだまだ技術を磨かなくては」と瞳を輝かせる。今、平田さんはコンテスト出品を目標に制作中。将来的には、子どもも対象にした教室を開き、本を出版したいという。その第一歩として、今年2月から自宅で、体験イベントをスタートさせた。「あらためて、粘土の楽しみを体験してほしい」。イベント開催日と参加者数により
、自宅近くのカフェで行う場合もあるそう。
販売イベントには消極的。理由を尋ねると、「販売するとなると、売り上げを考えて、売れそうなものばかり作るようになってしまう。 以前、そんな経験をして、自分の信念を見失ってしまったので、今は作品のクオリティーを高めることに専念しています。それと、ずっと先のことだけど、おばあさんになったら、老人ホームで皆に囲まれて教えてあげられたらいいな」と茶目っ気たっぷり。
平田さんのミニチュア粘土細工を見たい人、体験イベントに参加したい人は問い合わせを。
問合せ 平田さん
TEL 080・1364・5231