口笛でオールジャンル、自由自在!?

口笛奏者 渡辺保治さん

 9月10日(水)、市原市役所1階ロビーで行われるロビーコンサートに出演する渡辺保治さん(67)。市原市青葉台在住で、自身が楽器となって素敵な音色を紡ぐ口笛奏者である。「口笛は私にとって心の友。小学校低学年の時に父と兄の吹く姿を見様見真似で始めてから、60年の付き合い。中学生になれば、音楽で習う曲目も増える。オーソレミーヨを木造校舎の廊下で吹いたりして、気持ちがよかったのを覚えています」と渡辺さん。
 演奏する曲は童謡、抒情歌や歌謡曲から、映画音楽やクラシックまでと幅広い。ロビーコンサートでは岡野貞一の『ふるさと』、レオナルド・ローゼン・マンの『エデンの東』、ショパンの『夜想曲(作品9-2ノクターン)』などを披露する予定。渡辺さんはスピード感のある曲調が好みで、「一番のお気に入りは『ハンガリー舞曲第5番』」だとか。
 感情を込めて奏でる音色は、口笛と信じられないほどに心地良い。「口笛は心臓に一番近い楽器で、とても癒し効果がある。体調が優れないと音が出にくかったりするが、その分表現もしやすい。喜び、澄み切った感じ、しっとり感など楽器よりさらに自分を表現できると思う」と語る。穏やかな口調と人柄は、口笛がよく似合う。演奏する際に出す音は大きく、腹式呼吸のため健康に良いとも言われている。
 現在は、姉崎公民館で毎月第1・3日曜日10時からサークル『口笛教室』を開催し、講師を務めている。「『口笛教室』では、初心者も若い世代も大歓迎。60代シニアの方が多いが、最年少には小学校3年の男児もいる。全く吹けない方は、2カ月くらいマンツーマンで丁寧に指導します。2オクターブくらいの音域があるので、幅が広がってきたら徐々にみんなに加わっていただきます」と渡辺さんは説明する。『口笛教室』で演奏できるのは、抒情歌が中心。今風の曲も取り入れて、『坂の上の雲』や震災復興の歌である『花は咲く』なども練習。「そのうち、ディズニーの『アナと雪の女王』もやろうと思っている」とか。
 渡辺さんはサークル活動の他に、姉崎にある保育園や幼稚園を周って口笛を披露する機会もある。『森のくまさん』や『イッツ ア スモールワールド』を演奏、子どもたちを湧かせている。他にも平成25年度生涯学習フェスティバル、テレビ番組『ぶらり途中下車』などへの出演経験を持つ。また、2010TOKYO国際口笛音楽フェスティバル『自由曲シニアの部』では『カルメン組曲』を演奏、4位を獲得した。だが、満足はしていない。「私は少しあがり症。緊張すると肩に力が入ってしまって、半分ほどの力しか出せないことがある。この時は300人くらいの小ホールだったが、若干不本意な結果です」とちょっぴり悔しそう。自分という繊細な楽器を演奏するからこそ緊張する、それもまた口笛の魅力ではないだろうか。
 口笛上達レベルは5段階に分けられる。レベル1、頬を膨らませないで音が出せるか練習する。息の強さと唇のしぼり具合で独特の音を5秒ほど出してみる。レベル2、1オクターブの曲が吹けるように音階を広げていく。レベル3、リズムに乗って1・5オクターブの音が出せる。ここまでくれば口笛を楽しめる。レベル4では、音の抑揚や強弱が技巧的になってくる。最後にレベル5。感情を込めて吹け、聴いていて情景が浮かんでくるようになる。
渡辺保治さん「みなさんが皿を洗ったり散歩をしたりと日常生活の中で口笛吹きつつ、生活に潤いをもたらすことを目指しています。私はキーボードで音を確かめながらトレーニングするのですが、口笛のいいところは楽譜が読めなくても演奏できること」と渡辺さんは話す。また「腹式呼吸を強くするため、腹筋の練習にも励んでいる」のだとか。高音を出すのが難しかったり、長く吹くと音が割れる、速い曲だと口の周りの筋肉も疲れる。だが、上手くなれるかは個人の努力次第!
 肩の力を抜き、意識的に『あいうえお』を繰り返すことで口の周りの筋肉を鍛える。風呂場は頬もゆるみ唇がぬれている、反射率がよいことから「自分の音色を確認するのに最適な所」だという。ぜひお試しあれ。
 澄み切った空の下、散歩をしながら自由自在に口で好きな曲を演奏できたら、どんなに気持ちがいいだろう。

問合せ 渡辺さん
TEL 0436・62・5263

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