市原から全国に発信『築87年の木造校舎を未来へと守り継ぐ』プロジェクト第一弾達成のためクラウドファンディングに挑戦!

 クラウドファンディングという言葉をご存知だろうか。ある目的や志をもち、それを達成するために必要な資金を、インターネットを通じて不特定多数の人々から集める行為のことだ。
 一般的な方法としては、資金提供を受けたい人が仲介専門ウェブサイトに申し込み、そこで自分のプロジェクトを発表する。これに対して出資してもいいという人たちからの金額が、あらかじめ設定した期間までに目標金額に達すると、資金が提供され、プロジェクトが実行できるという仕組みになっている。 
 新しい資金調達の手段として注目されており、世界中で500以上のクラウドファンディングサービスが存在するという。日本では、2011年頃から仲介サービスがスタートし、東日本大震災関連の復興支援事業で、数多くの資金調達に成功したことで関心が高まったといわれている。
 このクラウドファンディングに挑戦し、地域の宝を未来へと守り継ぎ、活用しようと頑張っているのが『報徳の会』の皆さん。今まで何度も取り壊しの話が持ち上がりながらも、有志の人たちの手で修繕され、保存と同時に、老若男女、地域を超えて様々なイベントに活用されてきた市内唯一の木造校舎『内田未来楽校』(旧内田小学校・昭和3年建築)を管理運営している。昨年開催された中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックスの会場にもなった。
 ところが、昨年の大雪で傷んだ校舎の瓦屋根から雨漏りがするようになってしまった。これまでは、老朽化の進んだ床板やトタン屋根の張り替え、内装工事などを会員が各自費用を持ち寄り実費で行ってきた。しかし、今回の瓦屋根を葺き替える費用は、会員だけの負担では到底まかないきれる額ではない。
 そこで、クラウドファンディングを利用しようと考えた。数あるウェブサイトの中から選んだのは、日本初で最大の『READYFOR?』.目標は60日間で150万円。5月29日23時の時点で決済が完了する。
 サイトにプロジェクトを掲載するのは無料で、目標金額が期間中に達成した場合のみ手数料を支払い、集まった支援金の額から手数領分を差し引いた金額がプロジェクト実行者に支払われる。もし、プロジェクトが成立しなかった場合には手数料はかからない。
 報徳の会の皆さんが利用するクラウドファンディングは、寄付型や投資型ではなく、購入型。支援者に対してリターン(引換券)をお返しする。同会の引換券の内容は(支援金により異なる)、瓦に支援者の名前を掲載、内田未来楽校の『たより』、絵葉書セットや地元特産のホタル米、オリジナルCD、オリジナル写真集、里山ハイキング招待券等。内田未来楽校周辺の自然の魅力が満載のグッズを用意した。
 今回のクラウドファンディングでプロジェクトが実行できれば、さっそく今年7月1日から8月31日に改修を行い、9月に再オープンすることを目指している。同会事務局長の小出和茂さんは、「この校舎は、自らの姿を見せながら人の心を揺さぶってくれる存在です。その姿からは、歴史や年輪といった、到底言葉では伝えられない雰囲気が伝わってきます。そして、90年前この校舎を建てた人たちの想いもまた伝わってきて、その存在感には圧倒されるのです。また、これまで地域の拠点として保存されている校舎を訪れた多くの方が、木造校舎を実際に見て触れることで、心身共に癒されたという声もいただいています。校舎は、その存在の大きさで、卒業された方々や木造校舎を知る人々にとって、今も尚、大きな思い出となっている。だからこそ、私たちは90年近く内田地域で頑張ってきた校舎を、未来に引き継ぐことが求められているのではないでしょうか」と語る。
 決済完了日まで、あと27日。かけがえのない市原の宝を守ろう、同会を支援しようと考えた方は、是非、インターネットで『READYFOR?』を検索して。同会のプロジェクトは、プロジェクトを探すから入って、地域関東の中で表示される(※スマホの場合はPC版に切り替えると、地域が表示される)。「私たちの活動を理解していただき、お互いがハッピーになって、校舎を活用し更に楽しい学校になったら」と小出さんは支援を願っている。
 ちなみに、同会は毎月第3土曜日(10~16時)に、『おもしろ展示会』とカフェを開催しているが、5月2日から6日まで、『アートいちはら2015春』の会場のひとつとして、『内田の里アート展』を開催する。写真展やカフェ、野菜や骨董等の販売『おもしろ市』も同時開催。同会に関心を持たれた方は是非、のぞいてみては。

問合せ 小出さん
TEL 090・2661・5567

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