ゴスペルの魅力は、自分も周囲のひとたちも元気になり楽しくなること

ゴスペルクワイア レインボーファクトリー

 クリスマスが近づくと街に流れるゴスペルソング。ゴスペルとは複数の人数で賛美歌を歌うコーラスで、もともとはアフリカ系アメリカ人が集う教会で歌われていた大衆音楽。だから、教会音楽といっても賛美歌とは異なり、手拍子や足拍子、全身を使って歌い、楽譜はなくアドリブで歌ったりハーモニーを奏でる人もいる。歌う人が思いのまま自由に表現できる音楽なのである。
 本場アメリカの音楽シーンではヒットチャートにランキングされるほど人気の高いゴスペルだが、日本でも20年ぐらい前に映画『天使にラブソングを』のヒットで人気に火がつき、15年前にはゴスペラーズがア・カペラ(簡素化された教会音楽の様式。無伴奏で合唱・重唱すること。又はそのための楽曲)初の国内オリコントップ3に登場。そして6年連続、紅白歌合戦に出場した。山下達郎やサザンオールスターズ、平井堅などもア・カペラの楽曲を発表している。今や日本人にとってゴスペルは、特別な音楽ジャンルではなく、全国各地にゴスペルを歌うグループやサークル、団体が誕生している。
 市原市でも7年前、ゴスペルクワイア『レインボーファクトリー』が結成された。皆さん、元々は教会付属幼稚園の「ママ友」だ。リーダーの阿部玲子さん(47)は、20代の頃にニューヨーク等の教会でゴスペルを聴いて魅了され、一緒に歌った経験があり、いつかまた歌ってみたいと思っていた。
 幼稚園が催すクリスマス会で、園児が生誕劇の準備中に、保護者会が中心となって歌っていたが、当時、保護者会長であった阿部さんが、「ゴスペルをやってみない?」と持ちかけたことがきっかけとなった。反響は良く、「園長先生がこれで終わってしまうのはもったいないと言ってくださったので、有志でグループを立ち上げました。その後、入れ替わりはありましたが、今のメンバーで定着しました」と話す阿部さん。
 発足してから最も少ない人数だが、活動は慰問が中心で、老人施設や保育園、福祉施設など様々な場所に出向くので「舞台などない狭いスペースで歌うこともあるから、このぐらいの人数でちょうどよいんです」とのこと。ちなみに、阿部さんはゴスペル講師もしている。「自分は根っからの体育会系。幾つになっても目標に向かって努力するのが必要だと考えているので、グループ結成以来、毎年12月に開催される五井大市のステージ出演を目標にメンバー一丸となって練習に励んでいます」と話す。今年も出演する。本日、12月3日(土)正午から30分の予定。皆さんは公民館の講座で教えることもあり、一昨年は講座を開講した国分寺公民館の受講者と『五井大市』のステージに立った。今年も八幡公民館で開講した講座参加者と共にステージで歌う。
 吉野翠さん(40)は、7年前に福井県から引っ越してきた。福井県でも教会付属幼稚園のゴスペルグループに入っていたので、喜んで『レインボーファクトリー』に加入した。子ども3人の子育て中のママだ。自宅でいつもゴスペルの曲を流しているから、幼い子どもが英語の歌を覚えてしまったと笑う。山根妙子さん(36)はゴスペル未経験だったが、家族で和太鼓のサークルに所属しているアクティブなママ。頑張り屋さんで、阿部さん曰く「練習の鬼」なんだとか。ピアノを担当する田川ルリ子さん(67)は、メンバーの皆さんの子どもたちの「ピアノの先生」。「ゴスペルをアレンジするのは難しいけれど、クラシックと違いリズムとアドリブ、ハーモニーが、とてもリズミカルで自然と身体が動いてしまいますね」と微笑む。
 ゴスペルの魅力を尋ねると、山根さんと吉野さんは「歌っている自分も聴いてくれる周りの人も元気になり、楽しい気分になるところ」と口を揃え、阿部さんは「ありのままの自分を表現することで心を解放できること」と言い、田川さんは「歌にすごいパワーを感じる。堅苦しさがなく自由な感じ」と答える。『レインボーファクトリー』の皆さんは毎週月曜日の午前中、サンプラザ音楽スタジオはじめ市内の公共施設で練習をしている。施設の慰問ではゴスペルだけでなく、童謡や歌謡曲、演歌なども歌う。ハンドベルの演奏やパネルシアターを使うことも。手作りの消しゴムハンコを押したハンカチや手作りの歌集、壁掛けをプレゼントに持参する。「慰問先で、また来てね!と笑顔で言われると本当に嬉しい」と皆さん。
 グループ結成後、都内のゴスペルサークルにも所属した阿部さんは、東日本大震災のあとそのサークルメンバーと被災地へボランティア活動に出かけた。「現地で歌を聴いてもらい、一緒に歌うことで、みんなが笑顔になった。ゴスペルの力は素晴らしいと思います。だから講座より慰問を、ボランティア活動にもっと力を注ぎたい。私たちのゴスペルは色々なシーンに対応しアレンジも柔軟にと心がけています。これで完了するということはなく、日々進歩し変化を遂げていきたいとも考えています」と熱く語る。

問合せ Rainbow Factory
rainbowfactory@excite.co.jp

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