歩く誕生日 山里 吾郎

 前号の「昭和記念公園」で書き忘れたことが一つあった。もともと昭和天皇の誕生日だった「昭和の日」(4月29日)は自分自身の誕生日でもある。このメモリアルデーに決まって続けてきたことがある。市原市教委が主催する「いきいきワンデーマーチ」に参加し歩く。『記念の足跡…』と言うとちょっと大げさだが▼ただ持病の腰痛の具合だったか、この2年間は行きそびれていた。しかし今年は満69歳、数えの70で言うから「古希」。何としても歩こう、と養老渓谷に出かけた▼会場に着くと顔なじみも多く「久しぶり、歩きますか?」。以前は取材を兼ねての参加、それでも15㌔、7㌔ぐらいは歩いてきた。今回は…。腰痛の不安も残るし、昨日の雨で足場も余り良くない。復帰戦と割り切り、新設の4㌔挑戦で妥協した▼渓谷駅を10時過ぎに出発。快い春風の中、新緑の渓谷路をゆっくりと歩く。これまで何度となく歩いてきた道だ。周囲の風景はもちろん路傍の花々、今は緑のモミジの木々まで鮮明に覚えている▼年々、時期が早まるせいだろう。田んぼにはすでに緑の苗が出そろっている。ちょっと変わったのはどこもイノシシよけの電気柵が張り巡らされている点か▼渓谷橋から女ケ倉のトンネルを抜け、大福山の入り口で早くも往路の終点。すぐ上の「牛堀の滝」を見学し、そのまま帰路。朝生原から宝衛橋を渡ると4㌔はあっという間、11時過ぎには渓谷駅に戻った▼「ちょっと物足りなかったなあ」。自信回復のせいか、粋な計らいの足湯に浸かりながら「来年は満70。せめて7㌔を…」と誓った。

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