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季節のスケッチ
- 2018/7/20
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俳画と文 松下佳紀
雨のしとしと降る日、梅雨の句を考え続けていたが以前に作ったような平凡なものしか思い浮かばない。つくづく我が才能の乏しさを嘆いているうちに、しとしと、という言葉の面白さに気付いた。我々がごく自然に口にするしとしとは擬態語とも擬声語ともいう。物事の状態や様子を的確に表しており、我々の感覚や感情に端的に伝わる言葉である。揚句以外にも雨にちなむ擬態語はある。ぽつぽつ。ちらちら。ぱらぱら。ぽたぽた。びしょびしょ。びちょびちょ。なお、しょぼしょぼや、さめざめになると人間臭くなり笑ってしまう。日本語は擬態語が豊富といわれるが、とかく言葉をひねくりまわす俳句、時にはこんな遊びがあってもいいのではないだろうか。