ふるさとビジター館 旅するチョウ アサギマダラ

アサギマダラ

 渡りをする謎多き美しいチョウ、アサギマダラ。名前の由来は翅の模様が浅葱色(あさぎいろ)と呼ばれる青緑色と、黒い顔に白斑のマダラ模様からとされています。  台湾や南西諸島、奄美諸島から移動し、日本列島を北上、真夏には中部地方や東北地方の高原で過ごし、秋になると南下します。房総丘陵では5~6月の初夏と9月以降の秋ごろ見かけられます。2000キロを越える渡りをする同一個体がいれば、繁殖を繰り返し世代を超えて北上、南下する個体もいると言われます。しかしルートなどの詳細はわかっていません。それでもマーキング調査(チョウの翅に捕獲場所や月日、マーキングした人の名前等を油性マーカーで書き込んで放ち、誰かに再捕獲されることで旅のルートを解明)により、少しずつ渡りの謎が解明されてきているようです。ただ、何故渡るのか、どのように方向を定めるのか等、謎が多くあります。  食草や吸蜜も特徴があります。幼虫は毒性が強いアルカロイドを多く含むガガイモ科のキジョラン、イケマなどを食草とし、鳥などの捕食者から身を守ることができると言われます。成虫もヨツバヒヨドリやフジバカマなどに集まり、蜜に含まれるアルカロイドを摂取することで捕食者から攻撃されにくいようにしているようです。  謎多き不思議なチョウ。出会ったら優しく見守ってあげましょう。もし、マーキングされた個体を見つけたら情報を提供しましょう。謎を解明することが彼らの保護にもつながります。 (ナチュラリストネット/岡嘉弘)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】「手作りの電飾」木村順一  恒例の市原市写真連盟展が11/1(金)~6(水)、夢ホール(市原市更級・スポーツデポ市…
  2.  銚子市は、漁業と醤油の街として有名ですが、2012年に銚子市全域が日本ジオパーク委員会から「銚子ジオパーク」として認定されました。ジオパー…
  3. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…
  4.  10/12(土)から12/15(日)まで開催される、市原歴史博物館(市原市能満)の特別展「旅するはにわ~房総の埴輪にみる地域間交流~」。千…
  5. 【写真】日展 彫刻 2023年  都内六本木の国立新美術館にて、11月1日(金)から24日(日)まで『第11回日展』が開催…
  6.  秋の里山では、山の幸クリの殻斗(いが)の棘が茶色く変わり始め目立つようになる。葉が覆い茂っている林では見分けにくい。花が咲く6月と殻斗が割…
  7. 【写真】Frederic Edward Weatherly『Peeps into Fairyland(妖精の国を覗き見る)』 …
  8. 【写真】お店の前で。『十五や』のTシャツを着た藤本さん(後列中央)と田頭さん(右隣)  緑豊かな市原市東国吉で、県道21号…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る