縄文時代の竪穴住居を再現! 姉崎高校・先生と生徒の挑戦【市原市】

 姉崎高校は11/14(土)に文化祭を開催、万全の感染対策を施し非公開で実施した。3月から5月までの3カ月に及ぶ休校の影響もあり、開催を決定したのは7月末。三密対策などを徹底したさまざまな制約の中で、生徒たちの今年度で一番の笑顔があふれた。なかでも1年生のクラスが発表した縄文時代の竪穴住居や、コロナ禍での癒しを求めた歴史愛好会の「日本庭園」など、通常の文化祭ではなかなかお目にかかれない発表が目を引いた。
 竪穴住居の作成はクラスの話合いで決まり、夏休みには袖ケ浦郷土博物館学芸員から指導を受け、復元された竪穴住居を見学。休日は養老川の河川敷に出向き、屋根の部分となる茅を刈り取って天日干しにした。また市ふるさと文化課の方に縄文土器の作り方を教わり、作成した土器を窯で焼いて住居内に設置したりするなど本格的な展示。縄文衣装をまとい、当時の料理なども再現し、さらに外注の照り焼きチキンを販売するという豪勢な企画となった。
 作成したHR長の佐藤さんは「屋根の材料の茅や木材が学校の近くにないためクラス全員で協力して材料を集めました。雨で地面が水浸しになるというハプニングもありましたが無事完成し、文化祭最優秀賞を取ることができとてもうれしい」と笑顔で話した。また、装飾担当の宮崎さんは「木材などの骨組み部分の採寸が一番苦労しました。縄文時代の資料から、その時代にどのようなものを作っていたのかを考えて作りました。初めての高校でのクラス、みんなで一つの物を作り上げることができ、本当に良かった」と話していた。
 担当した山村向志先生は、昨年度新採用で今年初めての担任を受け持ったばかり。企画段階から約3か月かけて完成した竪穴住居に、「生徒の想いが伝わってきた」と感慨深く振り返っていた。また歴史愛好会は廊下に「癒しの庭園」を作庭。日本史の授業で学んだ「鳥獣戯画」の一場面を石でアレンジしたり、枯山水庭園に鹿おどしの作成など手の込んだ発表。同会は今年3月に「姉崎歴史の旅マップ」を作成、公民館や地元飲食店に配布され、8月には増刷版を出して、好評だった。
 生徒たちは「中止になった高校もある中で、一般の立入り禁止や多くの制限はあったけど、生徒のことを考え開催を決めてくれた先生方と生徒会に大変感謝しています」と話していた。

問合せ:千葉県立姉崎高等学校
社会科・石川教諭
TEL 0436・62・0601

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