ふるさとビジター館 自然探訪~イヌセンボンタケとタシロラン~

 沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人の役に立たないのが世の習い、これもキノコ狩りの対象外です。でも人の役には立たなくても、枯れ木を分解して土に還すという大切な仕事をしています。もしこのようなキノコが自然界から消えたら、山は枯れ木のゴミで溢れかえってしまうでしょう。

 またイヌセンボンタケはもうひとつ、素晴らしい仕事をしています。環境省のレッドリストで準絶滅危惧に指定されているタシロランという希少なランがあります。タシロランは葉緑素を持たないため自分で栄養を作ることができず、イヌセンボンタケから栄養をもらって生きています。ガラス細工のように繊細なタシロランの花はこのキノコのおかげで咲くことができるのです。

 近年、気温の上昇で房総丘陵の森林が乾いてきています。湿った場所が好きなイヌセンボンタケは、大きな群生がなかなか見られなくなってきました。同時にタシロランとの出会いも減っています。森の命の循環を担うイヌセンボンタケ、私たち房総の地にいつまでもと願っています。

(ナチュラリストネット/加藤恵美子)

 

◇ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。 Tel.080・5183・9684(野坂)

 

◇加藤恵美子ブログ 千葉県の自然見~つけた♪ https://emikocho.blog.fc2.com/

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】「手作りの電飾」木村順一  恒例の市原市写真連盟展が11/1(金)~6(水)、夢ホール(市原市更級・スポーツデポ市…
  2.  銚子市は、漁業と醤油の街として有名ですが、2012年に銚子市全域が日本ジオパーク委員会から「銚子ジオパーク」として認定されました。ジオパー…
  3. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…
  4.  10/12(土)から12/15(日)まで開催される、市原歴史博物館(市原市能満)の特別展「旅するはにわ~房総の埴輪にみる地域間交流~」。千…
  5. 【写真】日展 彫刻 2023年  都内六本木の国立新美術館にて、11月1日(金)から24日(日)まで『第11回日展』が開催…
  6.  秋の里山では、山の幸クリの殻斗(いが)の棘が茶色く変わり始め目立つようになる。葉が覆い茂っている林では見分けにくい。花が咲く6月と殻斗が割…
  7. 【写真】Frederic Edward Weatherly『Peeps into Fairyland(妖精の国を覗き見る)』 …
  8. 【写真】お店の前で。『十五や』のTシャツを着た藤本さん(後列中央)と田頭さん(右隣)  緑豊かな市原市東国吉で、県道21号…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る