美しい九十九里浜の景観を守るために
- 2014/1/24
- 外房版
昨年12月、平成25年度第3回景観セミナー『景観セミナーin九十九里浜』(主催千葉県・山武市)が開催された。講師に千葉大学名誉教授の北原理雄さんを招き、蓮沼ガーデンハウスマリーノにて午後1時半より開かれたセミナーに先立ち、午前中には約55名の参加者によって、殿下海岸から南浜海岸までの約2に及ぶ浜の清掃活動も行われ、ゴミ袋139個分のゴミが回収された。
『九十九里浜の景観 守り 育て 後世につなぐ』と題したセミナーでは、まず景観は私たちが知らず知らずのうちに変えて(壊して)しまっていること。地域の健康が景観に表れることが話された。北原さんが関わった『三番瀬』の復興を例に、子どもたちを巻き込み、住民と海をつなげるプロジェクトを展開し、三番瀬を後世に残す取り組みを行ってきたことが説明され、「みんなで考えれば変えていく方向を決められる」と北原さんは話した。
九十九里浜には長く続く砂浜に加え、浜を彩る草花、松林や広い水田地帯など、暮らしと自然が一体となった素晴らしい景観がまだまだ残されている。その反面、自然は時に牙をむくことも忘れてはならない。そこで、災害への備えと毎日の暮らしの両立を考え、情報を共有できるネットワークを作ることも重要だという。
最後に北原さんは、景観は総合的な環境のバロメーターであり、景観に注意を払うことで地域のよいところが見えてきて、それは直接暮らしと結びついているものであり、地域のネットワークによって支えられ、はじめて『守り 育て 後世につなぐ』ことができると結んだ。美しい九十九里浜の景観を後世に残すため、我々ひとりひとりが考え、手をつなげば必ず景観は守られるはずだ。