美しい九十九里浜の景観を守るために

 昨年12月、平成25年度第3回景観セミナー『景観セミナーin九十九里浜』(主催千葉県・山武市)が開催された。講師に千葉大学名誉教授の北原理雄さんを招き、蓮沼ガーデンハウスマリーノにて午後1時半より開かれたセミナーに先立ち、午前中には約55名の参加者によって、殿下海岸から南浜海岸までの約2に及ぶ浜の清掃活動も行われ、ゴミ袋139個分のゴミが回収された。
『九十九里浜の景観 守り 育て 後世につなぐ』と題したセミナーでは、まず景観は私たちが知らず知らずのうちに変えて(壊して)しまっていること。地域の健康が景観に表れることが話された。北原さんが関わった『三番瀬』の復興を例に、子どもたちを巻き込み、住民と海をつなげるプロジェクトを展開し、三番瀬を後世に残す取り組みを行ってきたことが説明され、「みんなで考えれば変えていく方向を決められる」と北原さんは話した。
 九十九里浜には長く続く砂浜に加え、浜を彩る草花、松林や広い水田地帯など、暮らしと自然が一体となった素晴らしい景観がまだまだ残されている。その反面、自然は時に牙をむくことも忘れてはならない。そこで、災害への備えと毎日の暮らしの両立を考え、情報を共有できるネットワークを作ることも重要だという。
 最後に北原さんは、景観は総合的な環境のバロメーターであり、景観に注意を払うことで地域のよいところが見えてきて、それは直接暮らしと結びついているものであり、地域のネットワークによって支えられ、はじめて『守り 育て 後世につなぐ』ことができると結んだ。美しい九十九里浜の景観を後世に残すため、我々ひとりひとりが考え、手をつなげば必ず景観は守られるはずだ。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】「手作りの電飾」木村順一  恒例の市原市写真連盟展が11/1(金)~6(水)、夢ホール(市原市更級・スポーツデポ市…
  2.  銚子市は、漁業と醤油の街として有名ですが、2012年に銚子市全域が日本ジオパーク委員会から「銚子ジオパーク」として認定されました。ジオパー…
  3. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…
  4.  10/12(土)から12/15(日)まで開催される、市原歴史博物館(市原市能満)の特別展「旅するはにわ~房総の埴輪にみる地域間交流~」。千…
  5. 【写真】日展 彫刻 2023年  都内六本木の国立新美術館にて、11月1日(金)から24日(日)まで『第11回日展』が開催…
  6.  秋の里山では、山の幸クリの殻斗(いが)の棘が茶色く変わり始め目立つようになる。葉が覆い茂っている林では見分けにくい。花が咲く6月と殻斗が割…
  7. 【写真】Frederic Edward Weatherly『Peeps into Fairyland(妖精の国を覗き見る)』 …
  8. 【写真】お店の前で。『十五や』のTシャツを着た藤本さん(後列中央)と田頭さん(右隣)  緑豊かな市原市東国吉で、県道21号…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る