ソバの匠と和スイーツ

 ソバは同じ材料で打っても毎日の気温や湿度によって食味が微妙に異なる。「ソバ作りに正解はない」と話すのは手打ち蕎麦・和カフェ『貴匠庵』(きしょうあん)の店主小川貴広さん(36)。「ソバ本来の味と香りを楽しんでほしい」と扱いの難しい全粒粉を粗挽きにし、細くてもコシのある麺を出す。少し甘目のツユをはじめ、季節を先取りしたコース料理も一人で作るから朝4時からの仕込み時間は開店している時間より長い。ソバ粉を使ったケーキやミルクプリンなど人気の和スイーツは何度も試作したオリジナル、鮮度を保つため野菜は毎日市場からと食にかける姿勢は本格派。東金の人気店『東京庵』の6代目に当たる。店はホキ美術館や昭和の森公園近く。ランチやお茶をはさんでのお出かけにお薦め。誠実な人柄の店主を支える明るい女将の心遣いも伝わるおしゃれな店である。
 今年、「女性客にも、通にも喜ばれる店を目指し、お客様の質問にきちんと答えたい」という熱意から、全国麺類生活衛生同業組合認定『蕎麦鑑定士』の資格を取った。産地、粉の挽き方や割合の違う12種類の伝統的なソバを見分ける試験に合格したあと、ソバ研究者らの講義を受けると認定されるという。一昨年からできた資格でまだ3級までしかないが、4級から1級まで取得すると『48種類のソバについて味わうべき魅力を知り、見分けられる人』となる。「業界全体を盛り上げたい」と広い視野に立つ小川さんは店を切り盛りし、年一回の試験に向けさらに勉強中だ。

問合せ 貴匠庵
TEL 043・295・3838
住所 千葉市緑区あすみが丘東1の13の14
営業 11~17時。日曜日・第3月曜日定休

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る