ソバの匠と和スイーツ
- 2014/4/11
- 外房版

ソバは同じ材料で打っても毎日の気温や湿度によって食味が微妙に異なる。「ソバ作りに正解はない」と話すのは手打ち蕎麦・和カフェ『貴匠庵』(きしょうあん)の店主小川貴広さん(36)。「ソバ本来の味と香りを楽しんでほしい」と扱いの難しい全粒粉を粗挽きにし、細くてもコシのある麺を出す。少し甘目のツユをはじめ、季節を先取りしたコース料理も一人で作るから朝4時からの仕込み時間は開店している時間より長い。ソバ粉を使ったケーキやミルクプリンなど人気の和スイーツは何度も試作したオリジナル、鮮度を保つため野菜は毎日市場からと食にかける姿勢は本格派。東金の人気店『東京庵』の6代目に当たる。店はホキ美術館や昭和の森公園近く。ランチやお茶をはさんでのお出かけにお薦め。誠実な人柄の店主を支える明るい女将の心遣いも伝わるおしゃれな店である。
今年、「女性客にも、通にも喜ばれる店を目指し、お客様の質問にきちんと答えたい」という熱意から、全国麺類生活衛生同業組合認定『蕎麦鑑定士』の資格を取った。産地、粉の挽き方や割合の違う12種類の伝統的なソバを見分ける試験に合格したあと、ソバ研究者らの講義を受けると認定されるという。一昨年からできた資格でまだ3級までしかないが、4級から1級まで取得すると『48種類のソバについて味わうべき魅力を知り、見分けられる人』となる。「業界全体を盛り上げたい」と広い視野に立つ小川さんは店を切り盛りし、年一回の試験に向けさらに勉強中だ。
問合せ 貴匠庵
TEL 043・295・3838
住所 千葉市緑区あすみが丘東1の13の14
営業 11~17時。日曜日・第3月曜日定休