子どもと一緒に笑顔になろうよ

長南町子育て自主サークル『ほわほわ』

 本当なら外で力いっぱい駆け回りたいところだけど、外は雨。そんな日でもここなら安心。友達とおもちゃを取り合う子、好きな格好ですべり台から滑り降りる子、おもちゃの車に乗って走り回る子など、広い室内で伸び伸びと遊ぶ子どもたち。長南町の育児サークル『ほわほわ』は、毎週水曜日の10時半から11時半まで、長南町幼稚園跡の施設または保健センターで活動している。登録人数は大人30名、未収園児が約35名だが、通常参加しているのはその内の約半数。年会費は300円で、その他長南町更生保護女性会からの支援を受けている。
 外遊びと室内遊びの他に、月に1回は講師を招いてのリトミック教室、元小学校教諭による絵本の読み聞かせやテーマ遊びを行っている。年に数回は、町役場の管理栄養士からアドバイスを受けて親子クッキングを行っており、好評だ。11月に実施したクッキングでは「0歳児から3歳児までいるので、離乳食期の子でも食べられるように、例えばリンゴを煮詰めてコンポートにしたものを使用するなど工夫しています。アレルギーのある子がいる場合はそれも考慮します。クリスマスなどのイベント時には、ミルクレープなど見た目が楽しいメニューを心がけています」と管理栄養士の女性。その他季節ごとに、春はお花見、夏は水遊び、秋は芋掘りやハロウィンパーテイーで仮装を楽しみ、冬にはクリスマスパーティーを。町の協力でサンタクロースがやってくることもある。
 取材当日は母親たちの発案でおやつ作りを実施。メニューは『とうふのホットケーキ』。ホットプレートと材料を用意し、小さなホットケーキを次々と焼いていく。和やかな雰囲気の中、終始、笑顔で子どもに接する母親たち。と思ったら「今日はおいしいものがあるから平和なのです。いつもはもっと大騒ぎですよ」と明るく笑う。なるほど、子どもたちはホットケーキをほおばるのに夢中になっていた。「うちの子は米を食べないから身体が細くて。炭水化物を摂らせようと思い、麺やパンを与えているけれど豆腐入りのホットケーキは栄養もあっていいですね。家でもやってみます」、「うちの朝食はいつも、これにひじきとネギとチーズを入れて焼いているよ」など情報交換の場でもある。 同サークルは、約10年前に子育てしている母親たちが中心となり発足。室内のおもちゃや本は当時の幼稚園が使用していたものや、子どもが成長し、退会したメンバーが寄付したもの。適度に広い室内と庭は子育てするには恵まれた環境だ。役割分担として代表、副代表、会計などがあり、1年ごとに交替する。現在の代表は入会3年目の齊藤聡恵さん。「長南町は子どもの数が少ない上に、地元出身ではなく外から嫁に来たママたちも多い。ママも子どもも友達を作る機会がほとんどないので、こういったサークルは本当にありがたい。イベントの内容を決めるときに、みんなの意見をまとめるのは大変だけれど、やっていてよかったと思うことの方が断然多いですね」と話す。一番気を配っていることはケガをしないように見張ること。「ある程度の喧嘩は成長過程だととらえて見守っているが、危険な場合もあるので。ママ同士で話に夢中になってしまうこともありますが、たくさんのママの目があるので安心」と苦笑い。10時半から11時半が主な活動時間だが、そのあとも弁当を持参してゆっくりと14時くらいまではくつろぐことができる。
 入会して1年、1歳の幼児がいる母親は「近くには公園もありません。サークルに入って、自分の子どもと同じくらいの小さい子がいることを初めて知りました。同じ立場の仲間は心強いし、子どもにとっても友達の存在は大きい」と話す。また、「家で2人きりだとどうしてもグズってしまう。ここでたくさん遊ぶとご機嫌になって、夜もよく寝てくれます」といった声も。
 長南町に在住の方なら誰でも入会OK。「子どもと家の中にこもっていないで、一歩踏み出してみませんか?」と齊藤さん。仲間に出会ってママが笑顔になれば、子どもも機嫌よく笑顔になるのでは?

問合せ 長南町保健センター
TEL O475・46・3392

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